重慶市デモが拡大 数万人が参加 専門家「薄氏の支持者に利用されたか」

【大紀元日本4月13日】行政区の合併に不満を持つ重慶市綦江区の住民が実施したデモがエスカレートした。11日のデモ参加者は前日の1万人から数万人へと拡大し、当局は数千人規模の武装警察官を投入した。負傷者が増えているという。

同市元トップ薄熙来氏への処分が発表された同じ日に起きたこのデモについて、中国問題専門家は「奇妙」と評し、背後に重慶市元トップの薄氏の後ろ盾と言われている周永康中央政法(司法、公安)委書記による反発の可能性があるとの見方を示した。

綦江区は昨年10月、同市万盛区と綦江県の合併により発足された。合併により医療保障手当てが引き下げられたと訴えた旧万盛区の住民は10日に、デモを実施した。11日早朝、武装警察官によっていったん排除されたが、同日正午頃、デモが再燃した。

重慶市では、10日に元トップの薄氏の職務停止が発表されたばかり。昨年10月に決定された合併をめぐって、なぜこのタイミングでデモが起きたのか。

目撃者は大紀元の取材に対して、「参加者らは革命ソングを大合唱していた」と証言した。革命ソングを歌うことは薄氏主導の「唱紅」運動の目玉だったが、同氏の失脚により禁止された。「薄氏を支持する者が市民の不満を利用しているのではないか」と大紀元のコラムリストで中国問題に詳しい張栗田氏は指摘する。

さらに、張氏は「権力闘争が勃発する中、最高指導部は社会の安定を重要視しているはず。事態の拡大をなんとしても防ぎたい最高指導部の思惑と裏腹に、武装警察官による鎮圧で騒乱がエスカレートする一方だ。武装警察を管轄しているのは政法委書記の周永康氏。周氏は薄氏の後ろ盾と言われ、同氏への調査もまもなく開始するとも言われている。この敏感な時期に騒乱を起こせば、薄氏への不当な処分が原因だと指導部に揺さぶりを掛けようとしていると考えられる」と分析した。

米総領事館に駆け込んだ重慶市元公安局長の王立軍氏が米側に提出した機密文書によると。周氏は薄氏とともに、次期国家主席に目される習近平副主席の就任阻止を企んでいたという。

薄氏への処分をめぐって、周氏は最高指導部の中で唯一の反対者。二人とも江沢民元国家主席に近いため、江沢民派の中心メンバーでもある。

(翻訳編集・高遠)
関連記事
アメリカのキャンパス、テスラの工場、そして今月スウェーデンで開催されたユーロビジョン・ソング・コンテストの会場において、混乱を招き、あからさまに破壊的ですらある凶悪犯たちに共通するものは何だろうか?彼らは皆、何らかの形で資本主義を破壊したいのだ。
5月16日、欧州の消費者団体は、動画プラットフォーム拼多多(Pinduoduo)の海外ECオンラインショップT […]
世界政府実現への努力は決して止むことはなかった。国連はその一つに過ぎない。エリートの狙いは、最も賢い人々からなる極少数のエリートによって支配される未来の世界政府だ。
多くのアメリカ人は、いまや1960年の選挙についてあまり覚えていない。 また、2020年の選挙が1960年の選挙と非常に似ていることに気づいている人も少ない。
アヴリル・ヘインズ国家情報長官によると、北京は米国や世界の選挙に影響を与える能力に自信を深めているという。 2024年の選挙に対する外国の脅威に関する上院公聴会でヘインズ氏は、中共当局は人工知能とビッグデータ分析を通じて影響力作戦のツールを完成させていると述べた。