2012年に失脚した重慶市トップの薄熙来。5年後同市トップまたもや失脚した。(Photo by Feng Li/Getty Images)

薄煕来「臓器狩りを命じたのは江沢民」証言音声入手

【大紀元日本8月30日】ナチス政権のユダヤ人殺害よりも残忍な中国の法輪功学習者からの臓器狩り。それを命じたのは江沢民元国家主席であると証言する薄煕来の通話記録を、このほど大紀元が入手した。

 録音を提供したのは大紀元情報筋の鮑光氏。2006年9月13日、商務部長(大臣)だった薄がドイツを訪問した際の、中国駐ドイツ大使館一等秘書官との通話記録となっている。当時、ドイツの法輪功学習者は、薄が生きた法輪功学習者からの臓器狩りに関与したことをドイツ当局に訴えていた。

 以下は薄と秘書官の通話記録。

 オペレーター:こんばんは。ハンブルク・アトランティック・ケンピンスキー・ホテルのデービッド・モンテです。

 一等秘書官(以下、秘書官):こんばんは。5…いや、452部屋お願いします。

 オペレーター:宿泊のお客様の名前は?

 秘書官:薄です。

 オペレーター:少しお待ちください。

 薄煕来:もしもし、もしもし、どなたですか?

 秘書官:薄煕来部長ですか?

 薄煕来:あなたは誰ですか?

 秘書官:大使館の者です。大使館の一等秘書官です。

 薄煕来:はい。

 秘書官:ちょっと急用がありまして。今日の午後、ドイツ外務省から私達に問い合わせがありました。はっきりしなければならないことで。

 薄煕来:はい。

 秘書官:えっと、貴方が遼寧省で省長を務めていた時のことです。これは明日の会見に影響することなので、彼らは事情を知りたいのです。つまり、貴方が遼寧省の省長だった時、江沢民、江主席が命令を下したのか、それとも貴方なのか。つまり、生きた法輪功学習者からの臓器狩りは貴方の命令ですか?江沢民の命令ですか?

 薄煕来:江主席だ!

 秘書官:ドイツ外務省は確かめたいのです。もし、もし貴方がこのことに関与していたならば、一部の会見において、彼らの出席メンバーのクラスが変わるかもしれません。法輪功が…提出したからです(薄煕来が話を打ち切る)

 薄煕来:もういい。馬大使(当時の馬燦栄大使)に聞きなさい。

 秘書官:えっと、今日の午後、照会があったばかりです。つまり…(薄煕来に打ち切られる)

 薄煕来:馬大使に聞くのだ。私に聞くんじゃない。このこと、馬大使が対処できないのかい?

 録音を提供した理由について、鮑光氏は、薄煕来裁判で指導部が依然、薄の本当の罪を隠ぺいしていることに憤慨したからだと説明している。録音は「権威機構の鑑定を受けてもいい」とし、薄の声に間違いないと主張した。

 鮑光氏はまた、指導部は今後も薄の罪を隠しつづければ、「より驚くべき証拠を提供する」。「中国の軍隊、武装警察、病院、公安、刑務所、労働教養所、政法委が皆、生きた法輪功学習者からの臓器狩りという罪悪に関わっていた」。鮑光氏はこのように明言し、関与した人からの情報提供も呼びかけた。

 薄煕来はかつて、江沢民元主席が起こした法輪功弾圧の先兵を務めていた。1999年8月、弾圧が始まって1カ月後、江元主席は薄が市長を務める大連市を10日間にわたって訪問した。その翌月、薄が市トップの党委書記兼市長に昇進。大連市はその後、法輪功迫害の最も残酷な市となり、さらに、2001年に薄が遼寧省長になってから、遼寧省は最も迫害の深刻な省となった。生きた法輪功学習者からの臓器狩りも、薄が許可した死体工場のある大連市や、悪名高い馬三家労働教養所のある遼寧省都・瀋陽市で猖獗をきわめていた。

 法輪功学習者からの臓器狩りを世に明かした一人、カナダ人権弁護士デービッド・マタス氏は9月2日に東京、5日に大阪で報告会を開催する。

(翻訳編集・張凛音)

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