北京市国家安全局トップが失脚 周永康の盗聴疑惑の実行者か

【大紀元日本2月24日】中国最高指導部の元メンバーである周永康氏への包囲網がさらに縮まった。ニューヨーク・タイムズ紙は21日、複数の情報筋の話として北京市国家安全局の梁克(42)局長が「汚職問題や周永康との関係」で取り調べを受けていると伝えた。また、梁氏は先月、すでに党中央規律検査委員会によって身柄拘束されたとの情報もある。

北京市政府は21日、梁氏の解任を発表したが、理由を明らかにしなかった。ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙は、「盗聴などで得た極秘情報を不法に周永康に流した」と報じた。

国家安全局は国家安全部の下級組織として全国すべての行政地区に設置され、国内外で諜報活動を行っている。国内では主に反体制派への監視、各国の外交官・記者への監視などを行っている。

国家安全部は中央政法委員会(政法委)が主管しており、周氏は2007~12年までの5年間、政法委のトップとして同部門を掌握していた。周氏は権力の全盛期に、数百億ドルの予算を反対派の弾圧など国内の治安維持に使用したほか、党や軍の上層部に対しても盗聴・監視を行っていたという。英タイムズ紙の昨年10月の報道によると、習近平主席を含む最高指導部メンバーもその対象だったという。

大紀元時報が以前入手した情報では、江沢民一派は2012年末の指導部交代をにらんで、政変計画を画策していたという。習主席を転覆させ、一派の後継者である重慶市トップの薄煕来受刑者に政権を継がせることによって、勢力を維持するとの内容だった。この政変計画は2012年2月、薄受刑者の元腹心、同市元公安局トップの王立軍受刑者の米国総領事館亡命事件によって破綻し、王受刑者は当時関連の証拠を米国側に渡したと伝えられた。政変計画の一環として、周氏は上層部に盗聴を仕掛けたとの内部情報も相次ぎ報じられた。

最近、周氏の側近らが次々と失脚していることから、NYT紙は「習主席は、周永康の影響力を徹底的に排除する姿勢を見せている」と指摘した。当局は周氏の失脚を発表していないが、「昨年末から周永康が調査を受けている」との報道は後を絶たない。

かつて公に周氏を批判していた北京在住の人権弁護士浦志強氏は大紀元に対して、「周永康身辺の人物は次から次へと失脚している。指導部は段階的にメッセージを発し、『周は絶対絶命』という既成事実を作り上げようとしている」と分析した。

梁氏の失脚で牙を抜かれた大トラの周氏は今後、さらに追いつめられていく。

(翻訳編集・叶子)

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