六四天安門事件25周年 習政権の姿勢に変化

中国政府が武力弾圧した民主化運動「六四天安門事件」は6月4日で25周年を迎えた。国内外が再評価を求め続けているこの事件は、指導部にとってタブーである。今年は例年以上に追悼活動を取り締まる厳戒態勢が敷かれたが、局面に変化もあらわれた。習近平総書記がこの民主化運動を支持した著名な学者を訪問。胡錦濤前総書記が運動の導火線となった故・胡耀邦元総書記の旧宅を表敬訪問するなど、トップの姿勢に変化がみられた。この変化を中国問題専門家らは、「習体制は『弾圧を支持しない』というメッセージを発しながら、弾圧支持派の江沢民とは一線を画すためではないか」と読み、事件への再評価や、江沢民らの責任追及が現実味を帯び始めたとみている。

 5月4日、習近平総書記は北京大学を訪れ、87歳の高齢で、著名な哲学教授・湯一介氏を見舞った。国営新華社通信や中央テレビもこのニュースを報道した。湯氏は事件後、他の学者と連名で請願書を指導部に提出し、政治犯の釈放を求めるなど、民主化運動の支持者として知られている。

 「この訪問は決して習氏の短絡的判断ではなく、深い意味が含まれている」と専門家は言う。

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