東京で「天安門事件35周年」追悼集会 議員ら160人参加

2024/06/04 更新: 2024/06/13

「中国共産党は邪霊である」「中国に民主化がない限り、世界は平和にならず」

【東京・6月3日】天安門事件から35年目を迎えるにあたり、衆議院第一議員会館(東京都千代田区)にて追悼集会が開催された。香港モンゴル、チベットの民主活動家が集結し、日本と台湾の政界代表も参加した。

集会では、中国共産党政権の本質が浮き彫りにされ、人権弁護士や法輪功への迫害、香港の自由を侵害する行為が非難された。出席者は「中国共産党(中共)は世界を支配しようとする共産主義の悪霊である」と指摘した。

元学生指導者の王丹氏が代表を務める「対話中国」日本支部などで構成された実行委員会が主催し、国会議員らを含め約160人が参加した。冒頭で挨拶した牧野聖修元経済産業副大臣は、「我々は命がけで運動を続ける必要がある」と強調した。

牧野聖修元経済産業副大臣は、「我々は命がけで運動を続ける必要がある」と強調した。(エポックタイムズジャパン 徐天睿)

台湾の駐ドイツ大使・謝志偉氏は「中国に民主化がない限り、世界は平和にならない」と述べ、会場の共感を呼んだ。また、民主活動家の魏京生氏は「鄧小平の大虐殺が民衆を覚醒させ、共産党の本質が独裁であることを認識させた」「今では共産党員を含め、誰も共産党を信じていない」と語った。

集会に参加したジャーナリストの張本真氏は「ますます多くの共産党員が中共を脱退している」と述べた。中共の本質を認識するにあたり、張本氏は「中国共産党は邪霊である」とし、台湾の前大統領・李登輝氏も絶賛した大紀元エポックタイムズの社論『九評共産党』(共産党についての九つの論評: 中国共産党の正体を暴く)を推奨した。同氏は全世界脱党支援センターが行なっている、中国人が、中共およびその関連組織から、自らの意思で脱退を宣言する「脱党運動」を紹介し、「これは全面的に、平和的に、効率的に共産党を崩壊させる最良の方法です」と述べた。

集会の第一部では、天安門事件後の人権迫害事件についても議論が行われた。法輪功への全面的な迫害、チベットの人権抑圧、ウイグル人やモンゴル人への弾圧にも言及された。(エポックタイムズジャパン 徐天睿)

集会の第一部では、天安門事件後の人権迫害事件についても議論が行われた。法輪功への全面的な迫害、チベットの人権抑圧、ウイグル人やモンゴル人への弾圧にも言及された。その後、香港の反「国家安全法」運動や人権弁護士への迫害にも焦点が当てられた。

ドキュメンタリー映画「幸彤在監獄」を上映

第二部では、香港の反体制的な言動を取り締まる国安法施行後に逮捕された民主活動家、鄒幸彤さんの活動を描いたドキュメンタリー映画「幸彤在監獄」(彼女は監獄にいる)が上映された。映画のなかでは、鄒さんのこれまでの活動や、自身が起訴された法廷で語った言葉が紹介された。

鄒さんは1985年、香港生まれ。英国ケンブリッジ大学で地球物理学を専攻し、博士課程まで進んだ。香港に帰ってから香港大学で法律を学び弁護士となり、中国の労働者救済や人権派弁護士の支援に携わった。

鄒さんは、香港で天安門事件の追悼集会を30年以上続けてきた支連会で副主席を務める。2021年に集会が禁止される中、「個人として公園で追悼する」と表明。それが公安条例違反として問われ、実刑判決を受ける。(大紀元)

毎年、香港のビクトリア公園では、大勢の市民が集まって天安門事件追悼集会を開催していたが、反体制活動を禁じる「香港国家安全法」の成立により、集会に参加するよう市民を煽ったなどの理由で罪に問われたものになった。

鄒さんは、香港で天安門事件の追悼集会を30年以上続けてきた支連会で副主席を務めていた。2021年に集会が禁止される中、「個人として公園で追悼する」と表明した。それが公安条例違反として問われ、実刑判決を受ける。

当日の衆議院議員会館で、「8964」の形に並べられたキャンドルライトを囲み、犠牲者に黙禱をささげたが、この日の集会で映画について解説した香港民主化運動をサポートする団体「stand with HK」の平野雨龍氏は「日本にいるから逮捕されることはないが、香港でキャンドルを掲げれば、犯罪となり逮捕される」と語った。

平野雨龍氏は「日本にいるから逮捕されることはないが、香港でキャンドルを掲げれば、犯罪となり逮捕される」と語った。(エポックタイムズジャパン 徐天睿)

映画の中で、鄒氏の友人はキャンドルを手に持ち、ビクトリア公園の前で天安門事件を記念する歌を歌う。しかし、歌い始めてから10秒も経たないうちに、背後から20人以上の警察が現れ、彼らを車に押し込んで逮捕する様子が描かれている。

その後のインタビューで、そのうちの一人は「香港の自由はこのようにして消えていく」と述べた。香港の人々が互いに話をする際、「天安門事件について話しても大丈夫か」を考えなければならないという香港の現状に対する痛切な思いを述べた。さらに、「まだ香港に留まることを選んだ人は皆素晴らしい」とも語った。

天安門事件の犠牲者を弔うキャンドルナイトの様子 (Photo by Frederic J. BROWN / AFP) (Photo by FREDERIC J. BROWN/AFP via Getty Images)

映画の最後には、「多くの人が鄒さんを愛国者ではないと言うが、彼女は中国の労働者問題を最も気にかけ、中国の民主主義のために闘っている。もし愛国者というなら、誰よりも鄒さんが愛国者だ」と語られた。

映画の上映中、人々が涙を流す姿が見られた。エポックタイムズのインタビューを受けた香港人の一人は、「鄒さんの物語を見て心が痛む」と述べた。そして、「鄒さんの信念、今日の追悼会に参加した皆さんの民主主義への信念が、香港人が頑張り続ける原動力だ」と語った。

徐天睿
エポックタイムズ記者。日米中関係 、アジア情勢、中国政治に詳しい。大学では国際教養を専攻。中国古典文化と旅行が好き。世界の真実の姿を伝えます!
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