米パデュー大学の学長は15日、六四天安門事件を支持する学生を脅迫した中国人留学生について、身元を特定でき次第、処分を下すと明言した。
米メディア「プロパブリカ」11月末の報道によると、パデュー大学の中国人学生、孔志豪さんが、1989年に中国で起きた大学生民主化運動「六四天安門事件」の参加者を称えたことで、同大学の中国人学生から嫌がらせを受けた。中国人留学生らはキャンパス内で孔さんにしつこく付きまとい、孔さんは米中央情報局(CIA)のスパイだと罵り、中国大使館と中国国安当局に通報すると脅迫した。
報道は孔さんからの情報として、中国国安当局の工作員は中国にいる両親のもとを訪れ、海外で人権・民主化活動に関与させないように警告したという。
パデュー大学のミッチ・ダニエルズ学長は全学生および教職員宛ての書簡で、「このような脅迫は、私たちのキャンパスでは容認できず、歓迎されません」と厳しく非難した。
学長はこの出来事がニュース報道を通じて知るようになったことは「とても遺憾だ」と述べた。
孔さんは米国営放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)宛ての電子メールで、同学長の意思表明は 「民主主義を支持する学生にとって心強いものだ」と語った。
孔さんは昨年、六四天安門事件31周年を追悼するための署名活動を立ち上げた。公開状で事件の犠牲者に敬意を表し、中国共産党政権の合法性を認めないと主張し、中国の民主化のために尽力すると表明した。公開状では、香港人の民主的な抗議運動と台湾の独立を支持することを明言した。
孔さんはプロパブリカの取材で語ったところによると、昨年は天安門事件を追悼するオンラインイベントで講演する予定だったが、イベントのリハーサル後、両親が再び中国国安当局から圧力を受けたため、講演を断念せざるを得なくなった。
米国に本部を置く国際NGO団体のフリーダム・ハウスの中国・香港・台湾問題の上級研究員であるサラ・クック氏は、孔さんのように嫌がらせと脅迫を受けるのは決して個別のケースではないと話し、パデュー大学の毅然とした対応を評価した。
(翻訳編集・叶子静)
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