夢を活用する人々 セノイ族

夢を積極的に活用し、自分の感情をコントロールする人々がいる。マレーシアの高原に住むセノイ族(Senoi)だ。

 研究者らの報告によると、セノイ族は夢の中の世界を現実と同じように重要視する。彼らは夢の中で、同じコミュニティーに住む人間と友人になったり、対峙したりしながら様々な経験を重ね、成長していく。その一方で、彼らは現実世界においては精神的に成熟しており、控えめで自己抑制ができるため、争いはほとんど起こらないという。

 1970年代にセノイ族と長期間過ごした心理学者のパトリシア・ガーフィールド氏(Patricia Garfield)は、彼らのユニークな夢の活用法を報告している。ガーフィールド氏によると、毎朝、親たちは子供にどんな夢を見たのかを聞き、彼らの方法で夢を見るようトレーニングをしていく。たとえば、夢の中で友人を作ったり、敵の集団とも仲良くなって助けてあげたり、それができなければ夢の中の友人と協力して敵を倒したりする。そのほかにも、夢の中を自由に飛び回るなど、明晰夢(夢の中で、自分が夢を見ていると分かっていること)を存分に楽しむ方法を教えるのだ。セノイ族によれば、人間の体にはいくつもの魂が宿っている。主要な魂は額の内側に存在し、その他の小さな魂は瞳孔の中に住む。この小さな魂が、恍惚とした状態や寝ているときに身体を抜け出し、夢の中で活躍するという。

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