米メディア「米政府内部情報=共産党指導部に亀裂」

【大紀元日本11月18日】米政府内の非機密扱い諜報活動レポートによると、「北京指導部には深刻な亀裂」が走っているという。米保守系情報サイトのワシントン・フリー・ビーコン(Washington Free Beacon)が11日に報じた。習近平政権による党内の腐敗取り締まりなど軍政に渡る権力専有が、共産党上級幹部の分裂を呼んでいる。

習近平政権は2013年1月から、中国全土展開の反腐敗キャンペーン、いわゆる「トラ(党上級幹部)退治」を推進し、党内序列ナンバー9の周永康氏の調査を含む数人の共産党上級幹部を取り締まった。これまでに数千人の低級党員、数十人の高級幹部を起訴した。

以前、党指導部では「大物腐敗幹部を追及しない」との暗黙の了解があったが、現政権は、異なる派閥の利害関係に関わる多くの「トラ」を失脚させている。

また同記事は中国の匿名アナリストの分析として、このたびの中央の分裂は、共産党が1949年に権力を握って以後から始まる一党独裁の崩壊の指標の一つとの主張を伝えている。

同記事は、党内亀裂の兆候として、吉林省政府機関紙「長白山日報」8月4日付の報道を取り上げた。それによると習主席は、同省共産党の内部会議に出席し、汚職撲滅運動が強い抵抗を受け「手詰まり状態にある」「腐敗と戦うには、個人の生死、名誉毀損をまったく気にしない」と発言したという。

この報道内容は中国国内メディアが一斉に引用した。しかし、検閲対象となったためか、当日午後にはすべての関連報道が削除された。

中国軍事學院出版社の元社長・辛子陵氏は同9日、衛星テレビ「新唐人」の電話取材に対し、習主席の発言は、党宣伝担当で序列5位の劉雲山・政治局常務委員の命令で削除されたと語った。

ワシントン・フリー・ビーコンはまた、7月末以降、汚職などの容疑で調査を受けているナンバー9の周永康前共産党政治局常務委員についても、異なる派閥の組打ちによって調査が長引く可能性を示唆した。

江沢民派が建国祝賀会に登場 分裂は表面化

北京の人民大会堂で9月29日、中国建国65周年の祝賀会が開かれた。慣例に反して、胡・温両氏を含む元指導部メンバーが欠席したのに対し、江沢民元主席が、江派の重鎮の張徳江氏、劉雲山氏、張高麗氏を率いて参列した。李克強氏、兪正声氏、王岐山氏の習近平派メンバーが習主席のそばに並んだ。

席順の配置から、江沢民氏の上海閥、習近平氏の太子党の対陣が公の場で明らかになり、指導部の分裂という構図が浮き彫りになった。

(翻訳編集・王君宜)
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