米国大物俳優の路上生活体験

アメリカの俳優、リチャード・ギア(Richard Gere)さんが最近、ホームレスの恰好をしてニューヨーク市内を長時間うろついた。しかし残念ながら、街の人々は誰も彼に気付かなかったという。この珍しい出来事はFacebookのファンページで世界中の人々に共有された。

リチャードさんは映画、「Time out of mind」の中でニューヨーク市に住むホームレスを演じた。この映画はホームレスの心境や彼らの生活の実態を反映し、社会に大きな反響を呼んだ作品である。

この度、リチャードさんは撮影とは関係なく、ホームレスの恰好でニューヨーク市内を長時間うろつき、物乞いをした。しかし、街の人々は彼に全く気が付かなかったという。リチャードさんはFacebookにこう記している。「ニューヨーク市内でホームレスの恰好をして暫くうろついてみたが、私に気付いた人は一人もいませんでした。ホームレスの惨めさを、しみじみと実感しました。行き交う人々はちらりと軽蔑の眼差しを向けるだけで、足早に去っていきます。ただ一人の女性だけが少しばかりの食べ物をくれ、これには非常に感動しました。今回の経験を永遠に忘れることはないでしょう。我々は裕福な暮らしのただ中にいるにもかかわらず、自分が恵まれているという自覚が無く、すべてが当たり前だと思っています。この経験を通して私は、助けが必要な人に出会ったらそっと手を差し伸べるべきであると考えるようになりました。実際にその後、自分がうろついた地区を周り、ホームレスの人に出会うと一人につき100ドルずつ渡しました。彼らは非常に感動して、涙をこぼしました。この世界が良くなることを望んでいる人は、まず自分が行動を起こすべきなのです」

若い頃にチベット仏教の指導者であるダライラマに出会い、チベット仏教の信者となったリチャードさんは、中国共産党のチベット仏教に対する弾圧を強く非難したため当局に封殺され、中国への渡航を禁じられている。また、中国共産党政府を批判することによってオスカーの受賞資格を失ったが、それでも彼は自身の信念を変えることはなかった。

(翻訳編集・金谷)