中国人権派弁護士、相次ぎ逮捕・起訴

かねてから中国公安当局に拘束されていた著名な人権派弁護士とその夫が13日、政権転覆罪などの容疑で正式に逮捕された。政権転覆罪は通常、共産党政権を批判する反体制派に適用されるもので、海外メディアの報道によると、今週では、そのほかに数人の人権派弁護士が同じ容疑で起訴されている。

北京の鋒鋭法律事務所に所属する王宇夫妻とその他の職員が警察当局に身柄を拘束されたのは昨年7月。この大規模な取り締まりで、弁護士や法律関係者、人権活動家およそ250人が拘留された。国際人権団体、アムネスティ・インターナショナルの統計によると、いまだに23人が拘束中、または行方不明となっているという。

王宇弁護士(44)は政権転覆罪、また王宇氏の夫はそれより少し軽い政権転覆扇動罪に問われている。

王弁護士は、故郷の新疆ウイグル自治区で国家分裂扇動活動を行ったとして昨年終身刑を言い渡されたウイグル人学者、イルハム・トフティ教授など、当局の弾圧を受けている複数人の弁護を引き受けていた。

王氏の代理人である李昱函弁護士によると、当局は郵送での通知で逮捕のことを夫妻の家族だけに知らせ、李氏には伝えなかったという。政権転覆罪は重罪であるため、無期懲役になる可能性がある。

李弁護士は、これまでに何度も王氏との接見を申請しているが、当局は全て却下している。「最後に彼女に会ってから、もう半年になる。これまでに7回も接見を申請したが、一度も許可されていない」

中国では、政治犯として逮捕、拘束されている被疑者や被告人に対して、弁護士が接見を許されることは非常に少ない。

ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、昨年末、当局から出国が禁止されている王夫妻の息子(18)が秘密裏でミャンマーからタイを経由して米国行きを計画していたが、ミャンマーで拘束され、中国に強制送還された。息子は現在母方の祖母と一緒に暮らしているが、自宅軟禁状態となっている。

王宇夫妻のほか、今週では、拘束中の4人の人権派弁護士の家族が、政権転覆罪の罪状で起訴するという逮捕通知を受け取っている。

今年1月上旬、北京で中国の人権活動家を支援する活動を行っていたスウェーデン人男性ピーター・ジェスパー・ダーリン氏が中国当局に拘束された。中国外交部は13日、ダーリン氏は中国の国家安全を脅かす活動を行った疑いで取り調べを受けていると発表した。

(翻訳編集・桜井信一、叶子)

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「政治花瓶(単なる飾り)」と呼ばれる中国の最高立法機関、全国人民代表大会(全人代)。その地方選挙に、北京の人権派弁護士の妻ら14人がこのほど、立候補を表明した。