台湾地震死者37人に 倒壊ビルに手抜き工事捜査

台湾南部で6日未明に起きたマグニチュード6.4の地震で、8日正午現在、37人の死亡が確認され、100人以上が依然として行方不明。被害がもっとも大きい台南市の16階建てマンションの倒壊現場では軍や消防が連日、徹夜で救助活動を続けている。手抜き工事の疑惑も浮上し、台湾当局が捜査に乗り出している。

8日、50時間以上がれきに閉じ込められていた男女2人の生存者があいつぎ救出された。ほとんどの行方不明者と、死者37人のうち35人がこのマンションの住民で、台南市検察当局は建築基準違反はなかったか捜査を始めた。また、台南市と隣の嘉義市間の新幹線線路は地震で被害を受けたものの、修復作業を終えて7日午前に全線の運転を再開した。

一方、11年の東日本大震災で1位のアメリカに次ぐ200億円超の義援金を送った台湾に対し、ツイッター上に日本人が「いまこそ恩返しのときだ」と支援を呼びかける書き込みが殺到し、募金活動が繰り広げられているもよう。台湾で大規模展開しているファミリーマートは日本・台湾の合計約1万4500店で「台湾南部地震義援金」募金受付を実施している。

安倍首相は6日、馬英九総統に「日本は台湾に必要な支援を何でも供与する用意があります」というメッセージを送り、岸田外務大臣が林永楽外交部長に同様のお見舞いメッセージを発出した。また、6日夜台湾入りした日本政府の調査団一行5人が翌7日、先のマンションの倒壊現場を視察した。

台湾メディアの報道によると、米軍は台湾政府に対し、要請があればいつでも協力すると表明した。中国政府系メディアの報道では、習近平国家主席は被災者に対するお見舞いと犠牲者への哀悼の意を表明、台湾側に「各分野の援助を提供したい」と示した。

台湾は日本を含め各国に緊急援助隊の派遣を要請していないとみられる。

(翻訳編集・叶子)

 

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