北朝鮮の衛星、機能せず 韓国「信号受信できない」
北朝鮮が軌道に乗せることに成功したと主張する人工衛星「光明星4号」だが、米政府高官は、この衛星は何の機能も果たしていないと指摘。韓国も、衛星が軌道上にあることが確認できるものの、信号を受信できないとしている。
米国防局の上級高官は9日、米CNNの取材に対して、「軌道上で揺れていて」、何かの役に立つような機能を果たしていないと述べた。
韓国国防省は9日、北朝鮮が発射した長距離ロケットの破片とみられる残骸写真を公表した。韓国国防省によると、ロケットの本体から分離した1段目のブースターは、爆発して約270個の破片が飛び散った。韓国当局は破片の多さから判断して、北朝鮮が韓国軍から分析されるのを防ぐために、自爆装置を取り付けたとみている。
朝鮮中央通信は7日、北朝鮮国家宇宙開発局の発表を引用して、衛星は「軌道進入に完全成功した」と報じていた。
国連や日米韓 北に制裁決議へ
国際連合安全保障理事会(UNSC)は7日、非公開の緊急会合を開いて、北朝鮮への制裁について会談した。会談の中で、韓国国会情報委員会の朱豪英(チュ・ホヨン)情報委員長は北朝鮮の長距離ロケット打ち上げについて、「北朝鮮は打ち上げの日を、中国の旧正月と米国『スーパーボウル』開幕日という最も国際的に注目される日にちを意図的に選んだ」と分析した。
日米韓3カ国は9日、それぞれ電話で首脳協議を行い、国連安全保障理事会で制裁決議の早期採択を目指すことで一致した。安倍晋三首相は日米協議で「北朝鮮の核問題と拉致問題の全面的な解決のために、独自制裁を準備している」と伝えた。
オバマ米大統領は「今こそ行動を起こす必要がある」と強調し、地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備を含めたあらゆる対抗措置を講じる考えを示した。
日韓協議では、安倍首相は韓国へのTHAAD配備を支持する考えを表明。朴槿恵大統領は、日本の独自制裁に対する取り組みを評価した。両国は、北朝鮮に対して安保理が一日も早い措置を望むことで認識を一致させた。
(翻訳編集・山本アキ)