乗客をハッピーに!

メルボルンの陽気な電車運転士

空は薄暗くどんよりとしていた。しとしとと霧雨が降り続く土曜日の朝、109号メルボルン港行きの電車の乗客たちは、皆沈んだ表情だった。その時、車内アナウンスが流れた。「ご乗車の皆様、どうぞ、ご着席ください。進行中の電車は決してダンスの練習場所ではないですよ」。陽気な声が響き、乗客たちは爆笑する。声の主は運転士のブルース・ワリーさん(Bruce Whalley)。メルボルンで最も楽天的な電車の運転士である。

ワリーさんは61歳だが元気はつらつ。毎日、必ずズボンにサスペンダーと蝶ネクタイのいでたちで出勤する。勤め始めてから3年の間、乗客からの手紙や電子メール、ソーシャルネットワーク(SNS) に送られて来た感謝の言葉は数えきれない。六歳の男の子まで、入学の初日に自分が唯一持っている小遣い75セントを「僕の人生で最高の電車の旅」に捧げるというほどだ。

慌しい現代社会の中で、人々は交通機関を利用する際、往々にしてイヤホンで耳を塞ぎ、外の世界を遮ってしまう。しかし、ワリーさんの電車に乗ると、乗客は彼のジョークに連られて次第に表情が明るくなり、必ず笑顔で下車するという。

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