独自取材
「江沢民一族の問題暴露、公安当局が促している」人権派弁護士が語る
中国元国家主席江沢民一族への逆風がいっそう強まっている。長年にわたり、一族が中心となる上海閥の腐敗問題を直訴してきた同市の人権派弁護士・鄭恩寵氏(66)はこのほど大紀元の取材に対し、上海市公安上層部から江沢民一族の問題をもっと暴露するよう示唆されたと話し、江氏の失脚が確実なことだと指摘した。
市副局長級高官の友人を経由して同氏に伝えられたという市公安当局上層部のメッセージは次の2点。1点目は、「鄭氏への監視や拷問は上からの命令だから」として、長年対立してきた同当局との関係を改善する。もう一点は、江沢民ら上海閥を批判する際に、(江氏の腹心とされる)上海市トップの韓正・市党委書記を巻き添えにしないでほしい。
鄭氏は「すなわち、もっと江沢民らを暴露してほしいと催促している」と読んでいる。
同氏は今年3月下旬、大紀元に「極めて信憑性の高い内部情報」として、江沢民と息子の江綿恒が当局の監視下に置かれており、最高指導部が公表するタイミングを計っていると話した。
長年、上海閥の腐敗問題を告発してきた鄭氏は2003年、国家機密漏えい罪で3年の懲役刑で服役し、釈放後も当局に軟禁されている。鄭氏の話では、いまだに軟禁は続いているが、最近、毎日の食事費が25元から50元に引きあげられたなど待遇は大きく改善している。先の友人からの情報では「今後の状況はもっとよくなる」という。
今年3月ごろから、江綿恒氏が当局の取り調べを受けている、すでに監視下に置かれているなどの情報が絶えない。腐敗撲滅運動を率いる中規委のトップ王岐山書記が中央内部会議で「年内に上海閥の汚職問題を解決する」と指示したとの報道もある。
(記者・駱亜、翻訳編集・叶子)
関連記事
【大紀元日本12月21日】金融犯罪と賄賂の容疑で11月30日に16年の懲役刑を言い渡された上海一の大富豪である周正毅・容疑者は12月10日に上訴した。香港メディアが、江沢民・前国家主席の息子が本案に
汚職疑惑で立件された国家能源局の劉鉄男局長(スクリーンショット)【大紀元日本2月4日】幹部の汚職を厳しく取り締まると宣言した中国共産党の新しい指導者・習近平総書記。複数の高官が相次いで失脚する中、エネ
中国共産党の第19回全国代表大会(19大)が10月18日に開催される。向こう5年間の重要人事が決まるこの会議に先だって、6日に公開された出席者名簿に、軍最高指導部・中央軍事委員会(以下・中央軍委)の現職で江沢民派の3人の名前はなかった。3人が中央軍委に再選しないことを意味している。90年代末から軍の主導権を握ってきた、江沢民派勢力の後退を示すものとみられる。
2014年に起きたマレーシア航空370便墜落事件は今も多くの謎が残っている。このほど、米国逃亡中の中国人富豪・郭文貴氏から同事件に関する驚愕な証言が飛び出た。中国共産党の内部事情を暴露してきた同氏は9月に入り、Youtubeの動画で、江沢民氏の息子・江綿恒氏が複数回にわたり腎臓移植の手術を受けたと発言した。さらに、2014年に起きたマレーシア航空機失踪事件は移植手術の関係者が多数、同便に搭乗していたため、江沢民派が意図的に墜落させたと証言した。
中国共産党上層部のスキャンダルを暴露し、台風の目となった在米中国人大富豪・郭文貴氏。4日に予定されていた米シンクタンク、ハドソン研究所主催のイベント、「郭文貴と話す会」は直前になって中止となった。
中国共産党第18回全国代表大会(18大)以来、習近平氏は軍事、政治、教育、経済など各分野で江沢民政策を覆してきた。そのため、江派の利益集団からの反発も空前絶後のものとされる。19大まで過去5年間も繰り広げられた習、江両陣営の熾烈な戦いは、江派勢力の敗退で決着がついたとも読み取れる。
中国共産党第19回全国代表大会初日の18日、習近平国家主席の3時間半に及ぶ演説を行った。江沢民氏や胡錦濤氏など前国家指導者らもそろって姿を見せ、党の団結を演出した。しかし、習主席は演説で、江沢民派をターゲットとする腐敗撲滅運動について、「圧倒的勝利を勝ち取るまで続く」と明言した。中国問題専門家は江沢民氏に強烈なパンチを食らわせたと分析した。
中国共産党は現地時間25日正午ごろ、党大会閉幕日の24日に選出された第19期中央委員会による第1回総会(1中全会)を開催し、最高指導部である第19期党中央政治局常務委員会(7人)と最高指導部に次ぐ党中央政治局委員(25人)の人事を選定した。新最高指導部人事には習近平国家主席に近い人物が多く登用され、党内江派勢力が後退した。