汚職疑惑で立件された国家能源局の劉鉄男局長(スクリーンショット)
【大紀元日本2月4日】幹部の汚職を厳しく取り締まると宣言した中国共産党の新しい指導者・習近平総書記。複数の高官が相次いで失脚する中、エネルギー事業を統括する国家能源局の劉鉄男局長も汚職疑惑で立件され、取り調べを受けていることが分かった。中国のエネルギー事業は長年、江沢民一族に支配されており、同局長は一族の管財人だと言われている。
昨年12月6日、中国経済誌「財経」の羅昌平副編集長がミニ・ブログ(微博)で、政府のシンクタンクである国家発展改革委員会の副主任、国家能源局トップを務める劉局長が、学歴詐称、巨額不正融資、愛人への脅迫などを行っていると、実名で告発した。
1月30日夜、国営新華社通信は告発について、「事実関係を確認中である」と伝えた。
告発者の羅昌平氏はその後インターネットで、正式に立件されていることを強調、当局から協力要請が来ていると明かした。
劉局長はかつて中国駐日本大使館で経済参事官として勤務していたことがある。駐在中、愛人の斡旋により、名古屋大学から修士学位として認められてはいない学位の名誉証書を手に入れた。帰国後、それを持って博士号を取得した。
さらに、民間企業と結託し、家族に株式を取得させ、海外企業の買収を装い、国内銀行から巨額の融資をうけた疑いももたれている。
また、愛人との関係がもつれたため、何度か愛人に脅迫を行っていたという。
習近平総書記は就任早々、腐敗問題の解決に強い意欲を示した。先月22日には「虎もハエも全て駆除する」と述べ、大物幹部にも末端の役人にも厳しく対処する構えを見せた。この風当たりの厳しい時期に劉局長の汚職が発覚したたことや、劉局長が支配する国家能源局が、江沢民一族が巨額の富を築く本拠地であったことなどから、同事件は注目を集めている。
習近平総書記が打ち出した「憲政の実現」と「腐敗の根絶」は、江沢民一派にとってまさに一番の弱みである。今回の告発は、決して偶発的なものではない」との見方が根強い。
習体制が発足後、劉局長のほか、四川省党委副書記の李春城氏(同省ナンバー3)、中央編訳局長の衣俊卿氏(副大臣格)などの大物幹部が汚職問題で相次ぎ失脚した。この二人はともに江沢民一派だと知られている。