人気シャンプーで脱毛被害 FDAも調査開始=米国
日本のテレビでもよく販売広告を見かけるアメリカ製の人気シャンプー、ウェン(WEN)の開発者チャズ・ディーン氏と通販販売会社ガシー・レンカー社に対し、消費者1千人以上が被害を訴えている事件について、事態を重く見た米食品医薬品局(FDA)はシャンプーの品質について調査を開始した。
最初に被害報告が出されたのは2014年7月。フロリダ在住のエイミー・フリードマンさんが、ウェンを使用したところ2週間後に髪の毛が抜け落ちたことを理由に訴訟を起こした。
また15年には全米から集まった127人の女性消費者による集団訴訟が起きており、今年1月にはその数が200人以上に膨れ上がった。 訴えによると、程度の差はあるものの、いずれも抜け毛の増加や髪の毛が切れる、あるいは円形脱毛症や痒み、湿疹などが引き起こされたという。
7月28日に報じられたABCニュースの中で、この裁判の原告の1人シンディー・パターソンさんは、このシャンプーを使い始めたころに髪の毛が束で抜けるようになったが、もともと髪の量が多かったので、頭髪が減っていることにすぐには気づかなかったと語っている。
FDAは、ウェンをめぐる苦情の発生件数は、これまでに何らかの被害報告が寄せられたことのあるシャンプー・リンス製品の中で最も多いとしている。FDAは開発者のチャズ・ディーン氏の会社と販売会社のガシー・レンカー社に寄せられた約2万1千件もの苦情についても調査を開始する予定。
開発者のチャズ・ディーン氏はハリウッドの人気ヘアスタイリストで、このシャンプーは彼のオリジナルブランド。
彼は1993年から界面活性剤不使用で泡の立たないことをキャッチフレーズにウェンの販売を開始した。インフォマーシャル業界で米最大手のガシー・レンカー社を通じて売り上げを好調に伸ばし、08年から15年までに1千万本以上を販売した。
ウェンは09年から日本市場にも進出しており、公式サイトなどでヘアケアの製品販売を展開している。今後の訴訟の行方に注目したい。
(翻訳編集・島津彰浩)