中国政治の解析=評論家臧山氏

北戴河会議は会議ではない

毎年7月末から8月初めになると、中国共産党の最高指導者たちは渤海を望むリゾート地・北戴河に集まり、約3週間の夏休みを過ごす。過去30年間、中国の国政に関する多くの重大政策や人事議案は、この非公式会議で提起されたり決定されたりしてきた。このリゾート休暇は「北戴河会議」と呼ばれる。

今年の北戴河休暇もまた、大いに注目を浴びた。今年は党内人事、党機関の再建、財政経済問題などといった重要テーマが、この場で俎上に載せられるだろうと、まことしやかに噂されている。

北戴河は、北京市から東へ約300キロの河北省秦皇島市の海側にある一地域名で、近くには万里の長城の東端、山海関があることでも知られている、中国屈指の高級避暑地。地区内に流れる「戴河」という川が渤海に流れ込み、川の北側には風光明媚な砂浜が広がっている。1950年代に中央政府の指導者層のための避暑地として位置づけられ、その後いわゆる北戴河リゾート地が形成された。

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