大気汚染

ニュージーランドのきれいな空気を詰めた酸素缶、中国で人気

天気予報とおなじく、中国では、大気の汚染状況に人々は高い関心を寄せている。これを商機と見たニュージーランドの会社は、新鮮な空気を詰めた酸素缶を1缶24.99ドルNZD(約2000円)でネット販売したところ、人気を集めた。

中国は秋から冬にかけて、スモッグ大気汚染で、視界不良になるほど空気の質が悪くなる。独立研究機関バークリー・アースが昨年発表した研究報告によると、中国では、大気汚染がもたらす健康被害が原因で、毎日4000人が死亡し、6人に1人の早期死亡を招いていると指摘している。

2015年、北京では気象当局が定める大気汚染指数が初めて「赤色警報」となり、市政府は交通規制や学校閉鎖を指示した。

ニュージーランドのクライストチャーチにある中華系会社は「自然の豊かさと美味しい空気」を売りに、特殊技術で新鮮な空気を詰めた酸素缶を販売。この会社の社長によると、空気はクィーンズウォールの山岳地帯から採集したものだという。中国最大手ECタオバオを通じて販売中だ。

調査会社グローバル・インフォメーションによると、中国は世界で最も大きな酸素ボンベ販売市場であり、2018年には1億6000万ドルに達する見込み。今年3月、世界銀行理事会は北京、天津、河北省の空気汚染対策プロジェクトに5億ドルの借款提供を決めた。

中国では手に入れがたいオーストラリアの「美味しい空気」に、中国富裕層は満足して購入していくという。同会社は、さまざまな種類の新鮮な空気を販売したいと考えている。磯の香りが楽しめる砂浜、木々の呼吸を味わえる森林など。

(翻訳編集・佐渡 道世)

関連記事
北京の環境当局は最近、大気汚染レベルの悪い日が続くため、強制的に学校閉鎖や交通規制を行う緊急非常事態宣言「赤色警報」を発する基準を変更すると発表した。
悪化の一途をたどる中国の大気汚染を改善するため、世界銀行理事会が汚染がもっとも深刻である北京、天津及び河北省の空気汚染対策プロジェクトに5億米ドル(約564億円)の借款提供を決定した。ロイター通信が報じた。
北京市環境保護局によると、このところ晴れの日が続き、粒子状汚染物質を含むスモッグ霧、所謂「霧霾(ウーマイ)」が減少している。だがその代わり、目には見えない汚染物質、オゾンが広がりを見せており、PM2.5に代わって北京を始めとする中国の大都市の主な汚染物質となっている。