「国家政権転覆罪」の有罪となり、釈放後も軟禁状態にある中国の人権派弁護士・高智晟氏(大紀元)
不屈の精神

高智晟弁護士「絶対にヒラリー・クリントンに投票しない」(2)

 

この記事は、高智晟弁護士「絶対にヒラリー・クリントンに投票しない」(1)​のつづきです。

「良心を無視した取引しないで」

米国政府は、アジア太平洋地域における安全保障と対中関係の間で、バランスを維持することの難しさを知っている。各国政府が、このゴロツキ政権との関係を維持していく難しさにも理解できる。

しかし、中国国民の利益を犠牲にして、良心を無視した取引をすることについては絶対に認めることはできない。このような取引への非難が絶えないことは、われわれが人間である証しだと思う。(一部では、私が欧米諸国の政治家を非難したことには、欧米諸国の力で中国を変えようとの狙いがあると言われたが、これは違う) 

偉大な米国の価値観(自由・平等・民主主義など)と米国民に対して、私は常に尊敬の意を抱いている。地球上にこのような国が存在することに、キリスト教信者である私は、常に神に感謝している。思い通りに行かないことも多いが、米国は世界秩序の維持に努めている。もしロシアや中国がこの世界秩序を主導していれば、どれほどの混乱が起きるかは想像に難くない。

中国共産党という犯罪集団は、人類文明が直面する最大な脅威だ。オバマ政権はこの脅威と手を結んだ悪果を、すでに味わっているはずだ。南シナ海、朝鮮半島、アジア太平洋地域の安全保障、アフリカ、そして世界各地ではこの犯罪集団が影響力と支配力を増そうとしている。

自由の維持 欧米諸国は歴史的責任がある

他の領域でも、中国共産党の勢力が拡大している。例えば、中国共産党が米国を含む世界各国で自由メディアの買収を加速化している。この数年間に、香港・マカオ、アジアの他の国、米国ですら反中国共産党の活動家の著書が出版できないことになった。

私の本も、いまだに香港では販売できない。また活動家の中では、中国共産党に拘束されて中国に連行されることも起きている。言論の自由を求め続ける私たち人類にとって、これは恐れるべき事態で、悪化の一途をたどっている。これを見過ごせば、米国や欧州諸国は、許認できない歴史的責任を負わなければならないと言える。

しかし、2017年以降の中国はきっと、米国の価値観に基づく世界秩序に融合されるだろう。中国は、米国が引き続き世界規模でその歴史的な役割を果たしていくことに手助けをするだろう。特に、国際人道主義の面や人権の保障の面では、中国はきっとその担わなければならない責任を果たしていく。これは、われわれの長い目で見た利益に一致するからだ。

高智晟

2016年8月16日

【関連記事】

高智晟弁護士「絶対にヒラリー・クリントンに投票しない」(1)

 (翻訳編集・張哲)

編集部注釈:高弁護士が執筆した同評論の日付は「8月16日」とあるが、中国本土に住む同氏から米国本部の大紀元へ渡るにあたり、中国当局から妨害があった。そのため、中国語大紀元電子版 『高智晟:絶不投希拉里(絶対にヒラリーに投票しない)』は10月28日に掲載することができた。

高智晟:中国ハルビン出身。クリスチャン。2008年、2010年ノーベル平和賞候補者。2007年、米国弁護士協会「勇敢なる提唱者賞」受賞。

高氏は1996年から人権侵害を受ける社会の弱者層に法的支援を提供し、無償弁護を行ったことで高名となる。弾圧されている法輪功やキリスト教「地下教会」のメンバーの弁護を引き受け、中国最高指導部に法輪功弾圧の中止を求める公開状を送るなどしていたが、2006年8月に逮捕。国家政権転覆罪で有罪判決を受けた。拘留中は残酷な拷問を受けたと著書で明かしている。現在も私服警察の監視が続いており、半ば軟禁状態にある。

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中国の著名な人権派弁護士で、上海当局から監視されている鄭恩寵氏は、入院中の出来事について大紀元に明かした。鄭氏によると、病院で出会った市民は、共産党政権と江沢民に対して否定的だという。また、共産党政権が国内の実情を隠しても、インターネットで知ることができ、「一般市民は無知ではない」と述べた。
鄭氏は、毎日のように若者と交流するなかで、「一般の中国人はかなりの程度目覚めていると思っている」と感じた。「彼らは、時たまに副省長レベルの幹部が逮捕されていても何の興味も湧かない。腐敗汚職のトラは1匹2匹しかいないわけでもなく、当局が1カ月で100~200ものトラを退治しなければ本気で反腐敗に取り組んでいると思えない、と明言している」。
中国の著名人権派弁護士、高智晟氏が新たな著書の出版を娘の耿格さんに委託する形で発表された。共産党が2017年に崩壊するとの大胆な予測を含んでいることもあって、海外から大きな注目を集めている。だが耿さんは、この本の出版が発表されてから高氏とまた連絡が取れなくなっていることを明かした。
中国元国家主席江沢民一族への逆風がいっそう強まっている。長年にわたり、一族が中心となる上海閥の腐敗問題を直訴してきた同市の人権派弁護士鄭恩寵氏(66)はこのほど大紀元本部の取材に対し、市公安上層部から江沢民一族の問題をもっと暴露するよう示唆されたと話し、江氏の失脚が確実なことだと指摘した。
人権派弁護士として中国で著名な高智晟氏。新著『2017年、起来中国(2017年、中国よ目を覚ませ)』には、同氏が収監されていた政治犯専用施設の実態や監房などについての詳細な記述がみられる。考案者の陳紹基はのちに「双規」の対象となり、自身が設計したこの監房に収容されたという。
 法輪功を弁護したことで迫害されている人権弁護士は16日、6月に発表した新著を大紀元中国語ネット版に無料公開した。本は、中国当局による拷問や家族への嫌がらせ、共産党政権の崩壊と次世代の中国社会の予測をつづったもの。
中国共産党により、約十年前から迫害されている中国本土在住の人権弁護士・高智晟氏は、米大統領選前に「絶対にヒラリーに投票しない」との文章を大紀元に寄せていた。同氏の主張で、秘密警察から聞いたところによると、ヒラリー氏は中国人権問題に言及しないようにとの中国側の要求を受け入れて、高額な賄賂を受け取っていたという。下記はその文章の抄訳。