大気汚染
北京のスモッグ 電子顕微鏡2000倍で見ると
北京の空に厚く垂れこめるスモッグの正体は何か―。このたび北京の大学が電子顕微鏡でスモッグの粒子を2000倍に拡大したところ、工業で排出されるあらゆる成分が検出された。
中国国内メディアによると、3日、北京化工大学の高分子実験室・劉勇教授は、10日ほど使用したマスクに付着した微小な塵や埃を調べたところ、炭酸カルシウム、酸化鉄、硫酸塩などが検出された。
劉教授によると、これらの微粒子はマスクを通過して鼻孔に吸い込まれるのもあるという。
インターネットユーザは、大気汚染と人体への危害と脅威について書き込んだ。「これらの汚染した埃を毎日吸い込んで肺に到達するの?怖い…」「政府は対策を取るといっているけど、効果が見られない」「北京だけでなく全土がスモッグに覆われるのでは」。
スモッグなどの大気汚染は、人体の呼吸器官系を大きく損傷させることがわかっており、肺がんの発病率を高める。
11月、スウェーデンのイエテボリ大学抗生物質・医薬研究センター主任ヨアキム・ラーション氏は、北京のスモッグの遺伝子は、抗生物質にきわめて強い耐性があると指摘した。
同済大学上海市肺科病院胸部外科副主任・趙暁氏は、スモッグは初期ガンと疑われる「すりガラス状陰影」を肺にもたらすとし、最終的に肺ガンになる可能性があると述べている。
(翻訳編集・佐渡 道世)
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北京市環境保護局によると、このところ晴れの日が続き、粒子状汚染物質を含むスモッグ霧、所謂「霧霾(ウーマイ)」が減少している。だがその代わり、目には見えない汚染物質、オゾンが広がりを見せており、PM2.5に代わって北京を始めとする中国の大都市の主な汚染物質となっている。
天気予報とおなじく、中国では、大気の汚染状況に人々は高い関心を寄せている。これを商機と見たニュージーランドの会社は、新鮮な空気を詰めた酸素缶を1缶24.99ドルNZD(約2000円)でネット販売したところ、人気を集めた。
中国北部の空は連日、濃い灰色のスモッグが垂れ込めている。北京、天津や周辺都市では空気の重度汚染警報が出され続けている。国内報道によると、近冬はこの十年でもっとも深刻な大気汚染になるのではないかと予想されている。
中国北京市と天津市と河北省など7の省の60以上の都市でこのほど、広範囲で深刻な大気汚染が発生し、濃いスモッグに覆われた。各行政は応急的に、工場の運行停止や大型車両の通行禁止措置などをとった。