北京で2016年2月、旧正月の休暇シーズンに雪で遊ぶ女の子(Lintao Zhang/Getty Images)

「汚い雪で遊ばないで」北京当局が警告

北京では5日、今年初めてとなる降雪が観測された。しかし、気象当局は「非常に汚い」雪であり、室内で過ごすよう市民に警告した。

今年の冬は、北京を含む中国北部の都市で深刻な大気汚染が見られ、当局は警告を出し続けている。人体被害が懸念される「オレンジ警報」が出されると、不必要な屋外活動は控えるよう通知される。

「非常に汚い雪で遊ばないように」と気象当局は、中国ミニブログ・微博の公式アカウントで5日と6日の2度にわたり警告を発した。

最近の研究調査によると、北京のスモッグのなかには酸化鉄や硫酸塩をふくむ微粒子が確認され、マスクをしていても鼻孔や口腔から体内へ運ばれる可能性もあるという。

北京のスモッグ 電子顕微鏡2000倍で見ると

(翻訳編集・佐渡 道世)

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 気象専門家は、今年の冬はラニーニャ現象により、記録的な寒さだった2012年に並ぶと予測している。
 中国北京市と天津市と河北省など7の省の60以上の都市でこのほど、広範囲で深刻な大気汚染が発生し、濃いスモッグに覆われた。各行政は応急的に、工場の運行停止や大型車両の通行禁止措置などをとった。
北京の悪名高いスモッグは、人間の健康を害すると広く認識されている。2013年前半には、北京の大気汚染に起因する呼吸器疾患により、1日約7000人の子供たちを入院させるほどだと形容された。その「スモッグ脅威論」に拍車をかける研究が、このたび発表された。それによると、北京のスモッグには抗生物質耐性を持つ遺伝子が、他の環境より最も多いという。さらに体内に取り込まれて「将来は病原体となる」可能性も指摘された。
北京の空に厚く垂れこめるスモッグの正体は何か―。このたび北京の大学が電子顕微鏡でスモッグの粒子を2000倍に拡大したところ、工業で排出されるあらゆる成分が検出された。