中国科学技術大学が開発した、ヒューマノイド・ロボット「佳佳(ジャジャ)」が2017年1月に公開された。簡単な会話のやり取りができるという(JOHANNES EISELE/AFP/Getty Images)

中国工場、労働力9割をロボットに入れ替え 250%の生産増

中国の東莞市のある工場は、650人の全従業員のうち590人分の労働力をロボットで置き換えた。結果は驚異的で、生産能力は250%増加したという。

残った60人の従業員は、生産作業に直接かかわっておらず、ロボットやマシンが正常に稼働していることを確認する仕事をしている。Monetary Watchが1月20日に伝えた。

携帯部品をつくるメーカー「長盈精密」は、ロボットアームを導入して生産ラインをほぼオートメーション化した。自律走行トラックを使い、輸送さえ自動化したという。

現在、工場では60人の従業員が監視カメラで全ロボットの稼働状態を確認しているが、工場長によると、将来的には20人に減る見込みだという。

ロボットの導入以降、部品の生産数は毎月8000個から2万1000個になり、250%増加した。欠陥の数は、25%から5%に減少した。

ロボット導入を進める工場は、ますます増加するとみられている。中国政府は2015年、向こう10年における製造業の道筋を示す計画案「中国製造2025(Made in China2025)」を発表。製造業に、高度なデジタル制御の工作機械とロボットの導入、次世代情報技術を適応し、イノベーション能力や効率を高めるというものだ。

それによると、中国は2025年までに、世界の製造国の中堅水準にならぶ「製造強国」になることを掲げている。

この政府の計画が、中国全土の工場労働者にとって何を意味するのか、まだはっきりしていない。しかし、公正な労働条件と賃金を要求する労働者にとって、肯定的に受け止められないだろう。 雇用減少につながるロボット導入は、いくつかの異なる製造分野でストライキを扇動しているとも考えられている。

高い品質の製品は、購入する人にとっては魅力的だが、 人は仕事を必要とし、人道的な環境で働ける機会を設けられるべきだ。

(翻訳編集・佐渡 道世)

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