危険すぎるVXガス 実行犯は訓練積んだ者か
マレーシアの司法解剖により、金正男氏はVXガス中毒で死亡したことが明らかとなった。VXガスは猛毒で非常に危険なため、実行犯はある程度の訓練した者ではないかとの見方がある。
防犯カメラの映像で、液体の状態で正男氏の顔に塗布されたと見られている。
今回の暗殺では、実行犯は多くの手順を踏んでいたことを考慮すると、素人ではない可能性が高い。猛毒を手に塗って暗殺を実行し、自身の安全を確保した。
実行犯の2人の女は、暗殺の特殊技能を身につけるため、何かの組織に所属していたかもしれない。
カメラの映像で、2人は決して「ネットの有名人」ではないことが分かる。一人の暗殺者が空港のロビーで金正男氏に接近し、VX剤が目や鼻の粘膜から吸収されやすいようにその顔面に塗り付ける。すかさずもう一人が用意してあった布で顔を押さえつけ、毒がより確実に吸収されるようにする。連携して一連の動作を3秒で終えることは、一般人女性には難しい。
また、暗殺者は犯行時、手袋をし、犯行後すぐに手を洗ったとの情報もある。事実であれば、2人はその液体が猛毒であることを事前に知っていたはずだ。
金正男氏が2月13日に暗殺され、2月15日と16日に、実行犯とされる女2人がマレーシア警察に逮捕されている。警察の聴取では、空港でいたずらをするよう、男性に誘われたと述べた。
彼女らは殺人行為をするつもりはなかったと弁解しているが、真相はいまだはっきりしない。
アメリカと韓国は、今回の暗殺を北朝鮮工作員の仕業と考えている。また、マレーシア警察が公表した11人の容疑者のうち、7人が北朝鮮国籍だった。
VXガスには強い神経毒があり、強力な化学兵器だ。一般的な毒ガスとは異なり、皮膚からも吸収される。中毒すると神経系統が錯乱し、呼吸困難に陥って死に至る。
(翻訳編集・文亮)