「天安門事件」28周年控え、中国当局ネット検閲を全面強化している。5月28日に香港で行われた、六四天安門事件で民衆が武力弾圧されたと訴えるデモ(DALE DE LA REY/AFP/Getty Images)

「天安門事件」28周年ひかえ、中国当局ネット検閲を全面強化=RFA

1989年民主化を求める学生や市民の運動が中国当局に武力鎮圧された「天安門事件」は4日に28周年を迎える。中国国内のネットユーザーによると、このほど中国当局はインターネット上の言論統制を全面強化し、中国版ラインの「微信」のアカウントが強制閉鎖されるなどのケースが多くみられた。

米メディアのラジオ・フリー・アジア(RFA)(5月31日付)によると、国内で個人の会員制交流サイト(SNS)アカウントが強制閉鎖されるとともに、当局のネット検閲システムを回避し、海外のサイトを閲覧するためのVPN(仮想プライベートネットワーク」も接続不可になった。

国内人権団体の「中国人権観察」の伍立娟氏はRFAに対して、このほど海外のサイトへの接続が困難にあり、「最近携帯でも各サイトを開くことがで出来なくなった」「もうすぐ「六四」(天安門事件)の記念日になるので、当局が言論統制を強めている」と話した。

天津市 国際人権日、壁新聞が伝えた天安門事件の真相
1989年6月4日、天安門広場の学生が鎮圧された後、前進する戦車の前に立ちはだかった単身丸腰の中国人青年王維林さん(「六四事件」資料)
戦車に立ち向かう「タンクマン」は秘密裏に処刑された

伍氏によると、友人らの微信のアカウントやグループチャット、インスタントメッセンジャーのQQアカウントが強制閉鎖された。

同団体が運営する人権情報サイト「バラ中国(玫瑰中国)」も規制対象となり、中国国内では現在、VPNを経由しても閲覧ができなくなっているという。

中国食品安全問題についてSNSで多くの投稿をしたネットユーザーの朱雪琴氏も、自身の微信アカウントが閉鎖されて、微信でのグループチャットにもメッセージを送信できなくなったと、RFAに明かした。

国内の他のネットユーザーによると、当局は「詐欺の疑い」などの理由で微信アカウントを閉鎖している。

朱氏は「当局にとって敏感な時期になると、(ネット上で)数多くのアカウントが封鎖される」と話し、朱さんが自身の海外SNS「フェイスブック」アカウントで中国社会現状への不満について投稿した内容や写真も削除された上、アカウントも封鎖されたことに驚いているという。

中国当局は5月上旬に、『インターネットニュース情報サービス管理規定』を公表し、インターネットウェブサイト、掲示板、ブログ、マイクロブログ、インターネット生放送などの形式で国民に対してインターネットニュース情報サービスを提供する場合、当局からインターネットニュース情報サービスの許可を取得しなければならないとした。許可を取得せず、または許可範囲を超えてインターネットニュース情報サービス活動を展開してはならないとした。同規定は6月1日から実施。

「中国人権観察」の伍立娟氏は、「当局は現在言論統制を一段と強化しており、文化大革命よりも深刻だ」「国民の言論自由の権利を奪う当局の行為を強く非難する」と述べた。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
今年は六四天安門事件の35周年である。真実は依然として隠され、歴史の傷はまだ癒えていない。中国の歴史と1989年の天安門運動を研究する学者として、何曉清氏(Rowena He)は「六四」の真実を広め、より多くの人々にこの歴史を理解させ、正義が最終的に実現することを願っている。
【東京・6月3日】天安門事件から35年を迎え、衆院第1議員会館(東京都千代田区)にて追悼集会が開催された。香港、モンゴル、チベットの民主主義者が集結し、日本と台湾の政界代表も参加した。
[香港/台北 4日 ロイター] – 1989年の天安門事件から34年を迎えた4日、香港ではかつて大 […]
駐中国イギリス大使館は6月4日、天安門事件について当時の様相を伝える中国官製紙を中国のSNSに投稿した。ネット […]
今年の6月4日で、中国共産党が民主化運動を武力で鎮圧した天安門事件から33年が過ぎた。情報封鎖は中国本土から香 […]