北朝鮮で拘束された米国人学生、帰国後に死亡 トランプ氏「残忍な政権」と非難

北朝鮮で1年半拘束されて、最近、昏睡状態で解放され米国に帰国した米国人大学生オットー・ワームビア(22)さんが19日、オハイオ州の病院で死亡した。トランプ大統領は、北朝鮮に「残忍な政権だ」と強く批判した。

ワームビアさんの訃報を受けて、トランプ大統領は現地時間19日、ホワイトハウスで開かれた企業代表団との会議のなかで「多くの悪いことが起きた。唯一、彼は(北朝鮮から)両親とともに帰宅することができた」と話した。「残忍な政権だ。私たちは対応していかなければ」と付け加えた。

同日、ホワイトハウスは声明で、「オットーさんの死は、無実の人に対する『法や人道に反する行為』をやめさせる決意を強くした。アメリカは、再度この北朝鮮政権の残忍な行為を強く非難する」とした。

レックス・ティラーソン国務長官は20日、今後、米国はワームビアさんの「不当な懲役」に対して北朝鮮に責任問題を追及し、改めて北朝鮮で拘束している他の3人の米国人を解放するよう要求した。

ヴァージニア大学に在籍していたワームビアさんは2016年1月、ツアー旅行で北朝鮮に入国し、平壌の滞在したホテルで政治的スローガンが書かれたポスターを入手しようとしたところ、逮捕された。同年3月には、15年の労働教化刑(懲役刑に相当)を言い渡された。

ワームビアさんが参加したツアーを企画した旅行会社「ヨン・パイオニアツアー」は、米国向けの北朝鮮ツアーはもう開催しないことを発表した。イラン、イラク、旧ソビエト連邦共和国へのツアーを提供する同社は、「アメリカ人が北朝鮮を訪れるリスクは高すぎる」と述べた。 国務省は北朝鮮への旅行を警告しているが、禁止しているわけではない。

ワームビアさんが入院していたワシントン郊外シンシナティ・メディカル・センターで対応した医療チームは15日、「ワームビア氏が(北朝鮮が説明した)ボツリヌス中毒症にかかったという証拠は何も発見できなかった」と、北朝鮮当局の説明が異なることを明らかにした。医療チームはワームビア氏が「すべての部位にわたる広範囲な脳組織の喪失している」としながら、原因は断定できないと説明していた。

ワームビアさんの家族は、「息子が北朝鮮で受けた恐ろしい過酷な虐待」により「今日経験したような結末になることは当然だった」と述べた。

(編集・佐渡道世)

関連記事
2020年以降、香港の自治が中国共産党によってさらに侵食されつつあるため、ワシントンは香港に対する政策を見直すよう求められている。米国のシンクタンクである「戦略国際問題研究所(CSIS)」は5月7日、「2020年以降の香港の自治権の侵食」というタイトルの報告書を公開した。同報告書は北京による香港支配の拡大を明確に描き、米国政府に対香港政策の見直しを促す40ページに及ぶ調査結果を発表した。
5月14日、メリーランド州、ネブラスカ州、西バージニア州で民主党と共和党の初選が行われた。前大統領ドナルド・トランプ氏と現職大統領ジョー・バイデン氏は選挙戦でいくつかの警告信号に直面したが、全体的な状況は安定していた。5月14日予備選挙のハイライト
反ユダヤ主義に対抗することを目的とした法案が米国下院で可決され、憲法修正第一条の権利に影響を及ぼす可能性について党派を超えた議論が巻き起こっている。反ユダヤ主義啓発法として知られるこの法案は、5月1日、321対91の賛成多数で米下院を通過した。
5月14日、英国バーミンガムで行われた安全保障会議で、英国と米国は、中共によるサイバー攻撃とスパイ活動が世界の安全に重大な影響を及ぼしていると指摘した。
ノースカロライナ州マチュース。 ドナルド・トランプが大統領選で共和党の推定候補者となって以来、全米世論調査での彼のリードは強くなっている。大きなアドバンテージを持つノースカロライナ州の地元保守派は、草の根運動の欠点を懸念している。