四川省で土石流、人災の可能性も 亀裂報告の無視で問われる当局の不作為(WANG ZHAO/AFP/Getty Images)
天災か人災か

四川省で土石流、人災の可能性も 亀裂報告の無視で問われる当局の不作為

中国四川省茂県で24日、大規模な土石流が発生し、村全体をのみこんだ。中国メディアの財新網は26日、事故は人災の可能性もあると報じた。地元住民らは事故前から当局に、山の斜面にある大きな亀裂について何度も報告していたが、何ら対応はなかったためだという。記事は間もなく削除された。

亀裂と報告の無視について、地元住民らは26日午前、同省民政庁長官と仮設施設で行った対話で明かした。住民の話によると、今回、土石流に飲み込まれた村に隣接する山の斜面には、2008年汶川大地震後の翌年(2009〜2010年)に生じたとみられる長さ数百メートル、幅数十メートルの亀裂があった。その危険性について住民は何度も当局に報告していたが、返答はなかったという。

このため、人災の要因が大きいと当局の対応を非難し、住民は現地政府をはじめ関係者の職務怠慢の責任を追及するよう当局に求めた。

すでに地滑りの兆候があったか

住民らの説明によると、亀裂は山頂部から山腹までに渡り入っており、ここ数年で、亀裂の下の斜面が下部に約100〜200メートル移動していたという。また、山の排水路には水がしばらく流れておらず、亀裂には絶えず地下水や雨水がたまり続けていた。

報告を受けていた地元の幹部・新磨村駐在の副鎮長が、地元住民とともに亀裂状況を視察したが、その後、当局は具体的な対応を行わなかった。住民らは「国土資源局に亀裂の記録があるはず」「政府から終始、避難勧告や斜面への注意喚起はまったくなかった。関係責任者の職務怠慢を追及すべきだ」と述べ、当局の対応を強く非難した。

財新網のこの記事は、ネット世論の関心を集めたが、まもなく削除された。一部のネットユーザは原文スクリーンショットを微信(WeChat)などで転送したが、転送内容や書き込みが相次いで削除されている。

中国メディアによれば、現在、災害現場で一部の斜面が崩れたことで二次災難が発生する恐れがあるため、救援隊は全員撤退し、行方不明者の捜索活動が一時中断されている。26日の時点では、15人を遺体で発見、93人が依然として行方不明になっていると伝えられている。

(翻訳編集・王君宜)

関連記事
中国には、「一日の始まりに必要な7つのものがあり、それは、薪、米、油、塩、たれ、酢、お茶である」ということわざがあります。お茶は中国の文化の一部としてなくてはならないもので、客人にふるまったり、食後にたしなんだり、その長い歴史の中で育まれてきました。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
オーストラリアのピーター・ダットン国防相は22日、宇宙司令部の設立を発表し、「強硬で好戦的な中露両国」に対抗できる宇宙軍事能力が必要だと述べた。
中国メディアは、ロシアのウクライナ侵攻をめぐって、反米・反北大西洋条約機構(反NATO)などの親ロシア政権の宣伝工作(プロパガンダ)を積極的に推進している。
ロシアのウクライナ侵攻に対して世界の有力国が一致団結してロシアに壊滅的な経済制裁を加える中、米国はロシア支援を続ける中国企業への制裁も視野に入れ、中露の枢軸を断ち切ろうとしている。