国連安全保障理事会は5日、北朝鮮に対して、更なる厳しい制裁決議を全会一致で可決した。専門家は、中国からの原油を停止しなければ、北朝鮮は核ミサイル開発を止めないだろうとの見方を示した(EDUARDO MUNOZ ALVAREZ/AFP/Getty Images)
経済制裁

中国の原油輸出停止なしに、北朝鮮の核は止められない=専門家

北朝鮮の相次ぐ核・ミサイル挑発に対して、国連安全保障理事会(安保理)と米国、欧州連合(EU)などの国際社会は経済制裁を強化している。専門家たちは、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による軍事挑発をとめるには、中国から北朝鮮への原油輸出停止が必要だとの見方を示す。

8月5日、新たに国連安全保障理事会が下した北朝鮮への制裁で、「民間用」の石炭輸出を全面禁止となった。このため、今年の北朝鮮はさらなる経済難と食糧不足に陥る見通し。国連食糧農業機関(FAO)と世界食糧計画(WFP)は、北朝鮮住民の約40%がすでに栄養失調にかかっていて、3分の2は国際救護団体の食糧援助に依存していると伝えている。

戦略シンクタンクHIS Markitのラジブ・ビスワス氏はブルームバーグの取材に応え、金正恩政権は、こうした「国難」にもかかわらず、武器販売や麻薬取引など様々な違法ルートを通じて資金調達し、核・ミサイル開発を続けるだろうとみている。また、今回の制裁には原油輸出を禁止が含まれていないため、軍事挑発を止めるほどの高い効果はないと指摘した。

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米国家安全問題に詳しいCBSテレビのフラン・タウンゼント氏は、中国政府は制裁に同意していながら、対北朝鮮支援を従来通り行っている。核・ミサイル発射の資金の8割は中国から稼いだと指摘した。
国連安全保障理事会は5日、北朝鮮に対して更なる厳しい経済制裁決議を全会一致で可決した。しかし、専門家は、北朝鮮にとっては最大の防衛策であるミサイル・核開発計画を緩めることはなく、大きな影響をもたらさないと分析する。
北朝鮮が立て続けにミサイルを発射することで朝鮮半島の緊張が高まっている。米国内最新の世論調査では、北朝鮮に対するアメリカ国民の危機感がいつになく高まっていることが、分かった。