19大間近、中国各地で規制強化の厳戒態勢 市民の生活にも影響
5年に1回の第19回中国共産党全国代表大会(19大)の開催を控えるなか、北京を中心に中国各地で監視が強化され、草木皆兵の厳戒態勢が敷かれている。少数民族や反体制派への監視強化のほか、刃物の使用規制、宅配業務中止、宿泊の制限など一般市民の生活にも影響が出ている。
消息筋が海外中国語メディアに寄せた情報によると、習近平国家主席は最近、国防部・公安部・軍の上層部を召集した緊急会議で、「枕戈待旦(戈を枕にして明日を待つ)」のように、有事体制で臨むようにと命じたという。
当局はとりわけ刃物の扱いに神経を尖らせている。北京市内のスーパーマーケットは19大の閉会まで、ハサミ、文房具用ナイフも含むすべての刃物類の販売を中止とした。ウォルマート平東関店の従業員は米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に対し、上級部門の指示により同店は刃物の販売を中止したと話した。
北京市では、以前から調理包丁の購入時には本人確認が実施されている。又、地方住民への販売は不可などの措置も取られている。RFAの取材では、遼寧省に戸籍をもつ北京在住の女性は包丁を購入できないため、友人から借りたものを使用していると答えた。
刃物規制は北京市に限ったことではない。新疆ウイグル自治区では、刃物の販売・所持を禁止するほか、自治区内のマルキト県やアクス県は住民に対し、包丁、斧、鍬、果物ナイフなどすべての刃物を近くの役場に持参し、身分証明書番号を刻印するよう通知を出した。番号の刻印がない刃物は押収される。また、数カ月前から、刃物は鎖でつなぐよう規定されている。ある商店主は店頭の刃物に鍵をかけなかったとの理由で一時拘束された。
ネット通販大手の淘宝は、新疆ウイグル自治区や、チベット、モンゴルへの刃物配達を期間内は中断するという通達を出している。これらの地域は少数民族の密集地で、共産党政権への反発が根強い。
また、10月1日から閉会まで、地方から北京への配送業務も停止になる。これは前例のない新措置だ。地方のネット通販業者から本を購入した北京市の男性は、19大が終わらないと本は届かないと話した。
広西省北海市では、19大閉会まではガソリンを購入する際、公安当局が発行する購入許可が必要なうえ、最大10リットルまでしか購入できない。
上海市の長距離列車のターミナル駅では、9日から10月末まで北京へ行く乗客全員が「二次安全検査」を受ける。顔、身分証明書、切符の所有者が同一人物と識別されない場合、きっぷを所持していても乗車できない。
北京市内は、厳しい警備体制が敷かれ、物々しい雰囲気になっている。地方から数千人規模の警察が同市に増配され、市内に入る主要幹線道路では検問所が随所に設けられていて、軍・公安警察は有事時の戦闘体制で突発的事件の対応にあたっている。中国国内メディアによると、北京市朝陽区だけで、政府がおよそ19万人の市民警備員を募り、手当の総額は6億元(約100億円)に上る。
インターネット検閲も強化されている。大手ポータルサイト「新浪網」は1000人のネット監視要員を臨時募集している。
例年同様、民主・人権活動家への圧力、監視も厳しくなっている。北京在住者を中心に、公安当局から家宅捜査や、勾留、行動制限を受けているとの情報が相次いだ。
RFAの報道によると、各地の宿泊施設はウイグル人の宿泊を受け付けていない。広東省深セン市では、ウイグル人の客1人を受け入れた市内の旅館に警察は1.5万元(約25万円)の高額罰金を課した、との情報もある。
規制は外国人にも波及する。18~28日の間、外国からの観光客はチベットを訪れることができない。簡易宿泊サービス大手「Airbnb」は声明で「(19大が閉幕する)31日まで北京中心部の宿泊サービスを一時停止するよう命じられた」と説明した。
中国政治に詳しい専門家は、こうした年々厳しくなる規制策は、中国共産党政権が深刻な政治不安を抱えていることを露呈していると指摘した。
(翻訳編集・叶清)
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北京市内の地下鉄駅のエスカレーターに乗る軍人の隊列(ネット写真)
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