中国人民元 国際決済通貨ランク6位に後退、国際化は足踏み
ベルギー調査会社の国際銀行間通信協会(SWIFT)が発表した最新調査報告によると、貿易や対外投資の決済に使われる通貨として、9月中国人民元の世界全体の決済に占めるシェアは1.85%で、国際決済通貨としてのランクは6位に後退した。8月のシェアは1.94%で、5位だった。専門家は、人民元国際化計画の停滞原因は、中国当局の資本流出規制にあるとの見方を示した。
人民元は、国際化が進まないため、ユーロや英ポンドと比べて国際決済通貨としての使用頻度は依然として低い。「人民元がドルやユーロのような国際主要通貨になるまで、まだ数年かかる」とSWIFTが指摘した。
人民元は2015年8月に、国際決済通貨のランクで日本円を抜いて、世界4位に躍進した。しかし、対ドルでの人民元の急落に伴い、そのランク順位も落ち込んだ。
SWIFTは、国の経済規模とその通貨の国際決済に占める割合は、関係性が低いとも指摘した。例えば、米国の経済規模は世界のGDP(国内総生産)の25%を占め、米ドルの国際決済に占めるシェアは39.73%。中国の経済規模が世界のGDPの15%を占める一方で、人民元の国際決済に占めるシェアは2%未満となっている。
中国問題専門家の文小剛氏は過去、大紀元に対して、人民元国際化が進まない主因はこれを主導してきた中国当局にあると指摘した。
「対ドルでの元安に伴い、中国国内から莫大な資本が海外に流出した。資本流出を食い止めるため、中国当局は近年様々な規制を実施し、規制強化も行った。結果、人民元の国際化を阻んだうえ、昨年の国際通貨基金(IMF)のSDR(特別引き出し権)構成通貨に採用された際、中国当局が主張した『金融市場の自由化』との約束も破られた」と批判された。
(翻訳編集・張哲)
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