(明国 / 大紀元)
故事

隣人の家を騙し取った男

現世で持っている富や地位は、前世で徳を積んだから。ただし、悪事を働いてそれらを得た人には、相応の報いと災難が待っています。悪事とは、盗み、利己、悪事のそそのかし、嫉妬など。人間の行動も、心に萌した念も、すべて天から見られているというお話です。

明の時代、徐池(じょち)という男性がいました。彼は裕福でしたが、近所には更に裕福な徐八(じょはち)がおり、徐池はその立派な屋敷が欲しくてたまりませんでした。徐池は徐八に家を売るよう持ちかけましたが、徐八は首を縦にふりません。そこで、徐池は一計を案じました。

ある日、徐池は甘い言葉で徐八の息子を賭博に誘い込みました。それまで賭博などやったこともなかった徐八の息子はすっかり夢中になり、いつのまにかすべての財産をつぎ込んでしまいました。徐八は息子に激怒する一方、負けを補填するため、泣く泣く家を手放すしかありません。徐池は、まんまと屋敷を手に入れ、徐八は失意の中で憤死してしまいました。

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中国の戦国時代の有名な弁論家・蘇秦(そしん 紀元前382年)は、かつて鬼谷(きこく、遊説や国際外交の専門家)の弟子でした。貧しい農家の家に生まれた彼は、勉学をする傍ら、自分の髪を売ったり、代筆をしたりして生活を支えました。人の代筆を請け負ううちに、たくさんの知識を吸収していきました。