手抜き工事
中国高速鉄道に手抜き工事 トンネルで漏水、安全性に懸念
中国の高速鉄道でまた手抜き工事が発覚した。2016年12月に開通した上海市と雲南省昆明市を結ぶ高速鉄道で、設計、施工、監査、検測に関わった各社が、全工程にわたり手抜き工事やデータ偽造を行ったことがわかった。ニュースサイト・澎湃新聞などの中国メディアは13日、中国版ツイッターのウェイボー「微博(Weibo)」に投稿された情報として伝えた。
同高速鉄道で、貴州省区間にある複数のトンネルで、手抜き工事により漏水が発生した。特に貴州省と雲南省に跨る世界一高い橋、「北盤江大橋」に直結するトンネルは状況が深刻で、安全確保のために列車は時速300キロから70キロまで落として通過しているという。
ウェイボーの投稿に、高速鉄道を運営する国営・中国鉄路総公司が社内通達した関連文書全文が添付された。同社は今回の手抜き工事に対し、特別監査チームを立ち上げ、調査を行った結果、複数のトンネルの建設で施工各社が材料を減らす手抜き工事を行い、データを偽造しており、それによって重大な欠陥が生じたことが明らかになった。
澎湃新聞が中国鉄路総公司の関係者に確認したところ、この内部文書の信憑性を認めた。
しかし、翌日の14日、ウェイボーや澎湃新聞などの関連記事がネットから取り下げられた。新華社など官制メディアによる関連報道だけが残っている。
全長2,252キロの同高速鉄道は、中国国土を東西に貫く最長距離と最高速度を持つ線路で「中国で観光価値が最も高い高速鉄道」と呼ばれている。
(翻訳編集:王君宜)
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