習近平中国国家主席(Lintao Zhang/Getty Images)

習近平氏への崇拝行為 中央政府が禁止令か

中国では最近、一部の地方当局が習近平国家主席への個人崇拝を煽っているが、中央政府がこうした崇拝行為を禁止する命令をくだしたもよう。

10月下旬の第19回党大会で、習近平氏1強の政治体制が固められた。今月10日から、貴州省黔西県南州の共産党機関紙は連日、「偉大なる領袖(りょうしゅう・ある集団の中の主となる人物)の習近平総書記」と習氏を讃えて、現地の共産党機関や学校のほか、市民の自宅にまで習氏の肖像画を掲げるようになった。

中国共産党の歴史上、「偉大なる領袖」と位置づけられたのは初代の最高指導者、故・毛沢東だけだった。

中央の官製メディアが16日、習氏を国の「舵取り」「総設計師」などと称する記事を掲載。翌17日、南州当局は緊急通知をだして、習氏の偉大なる領袖の称号と肖像画の陳列を禁止した。同機関紙のホームページと電子版も訂正された。

香港メディアは消息筋の情報として、現地政府の宣伝部門は内部会議で、今後「偉大なる領袖である習近平総書記」という表現をいっさい使わないこと、習氏の公式写真や肖像画をネットや公共の場でいっさい掲載してはならないと通達した、と報じた。

中国国内の政治学者は、今回の出来事は恐らく「地方政府の行き過ぎた自発行為」だとして、(国民が敬遠する)毛沢東時代の個人崇拝を連想させるため、習近平指導部が介入したと推測した。

(翻訳編集・叶清)

 

関連記事
通学中の学生を狙った社会報復事件が絶えない中国、学校前は厳重警備。
その非人道的な所業から多くの国から停止を求められている中共の臓器狩り。中国共産党は否定しているが、今回、党内部の官僚から内部告発があった。告発者は「これはすでに産業化された仕組みだ」と述べている
10年前、中共は「中国製造2025」計画を掲げハイテク製造業強国を目指した。しかし現在、中共は知的財産権侵害や不公正競争の指摘を受けている。EVや高速鉄道で進展も、核心的な技術は不十分だ。
中国の資本市場から11月に457億ドルの資金が流出し、過去最大を記録。トランプ氏の関税政策への懸念と中国経済の不安定さが主因。中国政府の景気刺激策は市場の期待に応えられず、人民元も下落。習近平は窮地に陥っている