法輪功、台湾で年次体験交流会を開催
11月25日、台北市の国立台湾大学スポーツセンターに世界数十カ国から集まった中国伝統気功法・法輪功の学習者およそ7500人が集い、自らの精神の向上と修練について語る「修煉体験交流会」を開催した。
登壇した19人の学習者たちは、「真善忍」(誠実、善良、寛容)で自らを修練することについて体験談を語るほか、18年続く中国共産党による迫害停止を呼び掛ける活動について述べた。
法輪功の公式ページによると、世界70カ国以上で数千万人が修練している。登壇した19人はマレーシア、シンガポール、香港、オーストラリア、ベトナム、日本、韓国、インドネシア、米国、カナダ、ニュージーランド、欧州からの参加者。
台湾の学習者は、中国本土の観光客が訪れる香港で「法輪功を迫害する江沢民を中国民衆が刑事告発する」署名活動を行っていることについて語り、「4~5時間の活動で国内外の旅行者130人ほどの署名を集めた」とし、本土でも江沢民元主席による弾圧を否定する声があると語った。
また、過去数千万人もの非自然死をもたらした共産主義を第一とする中国共産党および関連組織(少年先鋒隊、共産党青年団)から離脱するよう呼びかける「脱党運動」も行っており、共産党の残忍さを説明して理解を求めているという。
台湾メディアに所属する記者は、2014年の学生による台湾自治を脅かす法案が強行されることを懸念した学生たちによる「ひまわり学生運動」を取材し、共産党による統一戦線と、立法府を占拠するなどして身を挺して抵抗する学生たちの動きを報道し続け、共産党の圧力を受けない公正な報道を心がけたと述べた。
仏道修練法・法輪功は1992年に中国吉林省で李洪志氏により公にされ、中国体育当局の統計では1999年に学習者7000万人に達し、共産党員を凌ぐまでに全土へ広がった。中国政府も、国民が健康になり医療補助を大きく削減させたとして推薦していた。
国民が結束するのを恐れる独裁政権は、法輪功を「脅威」とみなし、90年代末には徐々に出版物の抑制や屋外活動を規制した。
大規模弾圧 きっかけのひとつは1999年の中南海
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当日、朱熔基首相は法輪功側の代表者と対話。法輪功側に非はないとして首相が釈放を決めると、中南海の学習者は離れていった。しかし、この動員力と静かな態度に慄いたのは、江沢民元主席だった。「法輪功が中南海を包囲した」などとレッテルを貼った。
これ以降、「子供を食べた」「自殺を勧めた」など新聞、テレビ、ラジオなど国営報道機関によるねつ造と誹謗中傷が毎日展開された。中国共産党は弾圧を正当化するため、法輪功に対する悪印象を浸透させた。
江沢民元主席は「名誉を汚し、経済的に破綻させ、肉体を消滅させる」「3カ月以内に消滅させる」との徹底した弾圧作戦を開始した 。学習者の強制連行や拷問、家族や親せきに対する嫌がらせといった迫害は、現在もなお続いている。
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2017年11月25日、台湾の体験交流会前日、6400人の学習者は台湾台北市の中正紀念堂前の広場で気功動作を披露した。雨風のなか、静かに合掌し、ひたすら心身を修めることに集中する大勢の人。弾圧が始まる1999年以前までは中国各地で見られた光景だった。
(文・佐渡道世)