中国機墜落で12人死亡、トラブル軍機での訓練は命がけ=軍情報筋

英文中国紙サウスチャイナモーニングポスト2月2日付は、訓練中の中国軍機が墜落した事故について軍の関係筋の話を引用し、少なくとも12人が死亡したと報じた。野心的な軍事計画を推し進める中で、エンジンなど設計に問題のある軍用機を使うのは「致命的な問題だ」と同筋は事故の背景を明かした。

参考:中国空軍機が墜落、現場動画ネットに流出 死者多数か=貴州

1月29日、中国空軍は訓練中の軍用機が貴州で墜落したと発表したが、死傷者や軍機の種類などは発表していない。このたび、匿名希望の軍事関係筋は同紙に対して、墜落したのは運―8(Y-8)改良型の空中給油機だと明かした。当時、搭乗員は男女十数人で、全員絶望的だという。

「射出座席(注:非常時に座席ごとロケットモータなどで機外に打ち出される脱出設備)を備えていない機体であるため、搭乗員はパラシュート脱出しか選択肢がない。しかし、降下速度が早すぎた」と同紙に述べた。

戦闘機事故が続発 士気は低下

殲-15 (J-15)艦上戦闘機の事故が頻発するなか、墜落事故が再び起きた。情報筋によると、空軍の士気は酷く低下しているという。別の情報筋は同紙に、飛行訓練が増えたために事故発生率が高まっていると明かした。

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中国空軍は戦闘機を使って、台湾周辺の「包囲」訓練や太平洋上空の実戦訓練などを集中的に行っている。台湾と日本の沖縄諸島は、中国軍の対米戦略ラインである「第一列島戦」に位置し、頻繁な巡航を重ねている。

野心的な中国共産党の拡張主義が垣間見える。いっぽう、二人の軍情報筋によると、兵士たちは不完全で問題のある軍機に搭乗して、任務をこなさなければならない状況だと指摘する。

「空軍部隊の戦闘訓練と、不完全な軍用機の性能に『致命的なギャップ』があることを認識すべきだ」と二番目の軍関係筋は明かした。

「Y-8もJ-15もエンジン、機体設計、改造などのいくつか問題を抱えている。しかし、パイロット達は戦闘態勢を整えるとの指令を受け、たとえ不完全な軍機であっても飛び立たなければならない」と付け加えた。

一番目の軍関係筋によると、中国軍のパイロットたちは、第一優先事項は航空機の保護であり、個人の安全ではないと教育されているという。「この訓練と指導で空軍は発展する。しかし、その代価は何だ? 命が最も大切だろう」と同紙にもらした。

(翻訳編集・佐渡道世)

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