中国吉利集団 独ダイムラー株式を約9.7%取得、筆頭株主に

ドイツ自動車大手のダイムラーが24日、株主に対して送った書簡において、中国の浙江吉利控股集団(以下、吉利集団)が同社の株式の9.69%を取得し、筆頭株主になったことを発表した。浙江吉利控股集団傘下の吉利(ジーリー)汽車は中国自動車生産大手だ。

ブルームバーグによると、吉利集団の創業者で中国人富豪の李書福氏は同買収案に約75億ユーロ(約9886億円)の資金を投じた。ダイムラー側は、吉利集団を含めるすべての外国企業による長期的な投資を歓迎するとのコメントを発表した。

ドイツ国内メディアは2月初め、李書福氏がダイムラーの株式の買収を検討していると相次いで報道した。ドイツの世論は、李書福氏が習近平国家主席と近い関係にあるため、ダイムラーの株式取得には「政治色」が強いとの見方をしている。

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中国自動車メーカー吉利汽車の創業者である李書福氏が、ドイツ同業ダイムラーの株式を買収する計画をしている。買収案が成功すれば、李氏はダイムラーの筆頭株主になるとの見通しだ。独紙・ビルトが4日報道した。独メディアは、李書福氏と習近平国家主席と近い関係にあるため、今回の買収案には中国当局の意向があるとの見方をする。
独紙・ヴェルト・アム・ゾンターク(1月28日付)によると、ドイツ経済省のマティアス・マハニック次官はこのほど同紙の取材に対して、技術やノウハウの流出を防ぐために、中国企業によるドイツや欧州企業の買収を規制し投資を監視するのに「より厳し法案が不可欠だ」と述べた。
中国複合大手海航集団(HNAグループ)がこのほど債務返済のために、保有する欧州金融大手ドイツ銀行の株式の一部を売却したこと。HNAは同銀行の筆頭株主で、昨年末以降HNAの債務問題が明るみになってから、ドイツ銀行の株価下落が続いている。