「あきれ顔」事件 米政府に飛び火 亡命者らが調査求める

13日の中国両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)記者会見で起きた女性記者の「あきれた顔事件」は、米ホワイトハウスにも飛び火した。ホワイトハウス公式ウェブサイトでは14日、オランダに亡命をした中国人活動家が米政府に対して、米国に法人登録をしている「全米テレビ(American Multimedia Television USA、AMTV)」と中国当局の関係を徹底的に調査するよう呼び掛けた陳情書が掲載された。

当日の記者会見で、上海に拠点を置くメディア、「第一財経」の梁相宜記者は、形式的で長い質問をする米国メディアと称する「全米テレビ」の張慧君記者に対して、あきれた表情を見せた。その様子がインターネット上で投稿された後、話題となった。

ネットユーザーが調べたところによると、「全米テレビ」は中国当局の対外プロパガンダ機関であり、「偽海外メディア」と批判された。

14日、ホワイトハウスの公式サイトに掲載された陳情書では、「全米テレビは中国共産党中央宣伝部に属する機関で、中国国営中央テレビの秘密支社だと考えてもよい。このメディアの番組では、米国人観客や在米華僑に対して、中国当局を美化し、反米言論を展開している」と示された。

米メディア・ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、陳情書を提出したのは、オランダに亡命中の中国人民主活動家の李方氏とドイツメディア「ドイチェベレ」の元記者だ。

両氏は、「偽海外メディアに掲載される共産党讃美のメッセージは中国国内に逆輸入されている。中国市民に、海外メディアが中国共産党を支持している印象を与えた」とした。

両氏は米政府に対して、『外国代理人登録法(Foreign Agents Registration Act)』に基づき、全米テレビの資金源などを調査するよう要請した。

李方氏は、中国当局が海外で設立したメディアは今、香港だけではなく、米国、オーストラリア、欧州、東南アジアまで広がっていると指摘。

 

中国人ネットユーザーが調べた結果、張記者は過去、国営中央テレビのアナウンサーや香港有線電視(ケーブルテレビ)の「中国旅行と経済」チャンネルの総責任者とメインキャスターを務めた。

また、ネットユーザーによると、2004年米にカリフォルニア州ロサンゼルスで設立した全米テレビは同ウェブサイトについて、「中国語放送は、中国政府と中国著名企業が海外で推薦する最も優秀な多媒体総合テレビジョン・プラットフォーム」と記した。

しかし、16日現在は全米テレビのウェブサイトでは、同内容にあった「中国政府」が削除された。

また、全米テレビの会長を務める中国系アメリカ人、ジェーソン・クイン(Jason Quin)氏のフェイスブックプロフィールによると、同氏は1987年に清華大学を卒業、現在孔子学院のロサンゼルス校の校長を兼任する。

孔子学院は、海外にある中国共産党の秘密情報とプロパガンダ工作機関であるとして、米FBIは2月、調査に乗り出している。

合わせて読む:米FBI、孔子学院をスパイ容疑などで捜査対象「米国社会の脅威」

(翻訳編集・張哲)

 

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