国民に対する監視を日々強めている中国(Guang Niu/Getty Images)

超監視社会の中国、親の信用度で子供は入学できず

中国は超監視社会だ。個人の一挙手一投足は共産党当局により監視されている。3年前から試験導入されている「社会信用度」制により、人々の生活をひどく制限している。親の信用が低ければ子どもが教育を受ける資格をはく奪するまでと規制は厳しくなった。

2014年、中国政府は、個人の信用度を定める社会的信用制度の試験導入を発表した。この制度は、共産党当局が設けた独特な水準に基づいて、個人の信用度ランクを決める。

信用度の低下は、軽犯罪に限らない。たとえば信号無視など交通規則の違反、禁煙地での喫煙ほか、土地収用や政治腐敗、民族弾圧、信仰迫害など「敏感な話題」についてSNSでコメントするなど、ささいなことも違反行為となり、減点される。

点数がある程度を下回ると、鉄道や飛行機のチケットが購入できなくなる、一定額以上の買い物ができなくなるほか、ホテルの予約、旅行、就職先の制限や禁止など、当局からさまざまな罰則を受けることになる。

中国国営メディア・澎湃によると、山東省長楽区にある高校は、親の社会信用度が悪ければ、入学を許可しないと発表した。学校側は4月21日に公式サイトで、2002年に公立学校から私立学校に移行したため、私立学校の入学に関する地方行政規則を遵守するとした。

「信用度に重大な問題を抱えている人は、子どもの私立高校入学の資格を制限する。信用不良について改善する責任を果たさなければならない」と当局の規則を引用した。

このニュースを見たネットユーザーたちは、両親の行動で罰せられる子どもの不遇に同情を示した。

広東省当局は最近、信号無視などの危険運転をした運転手を追跡すると発表した。その記録は、中国最大のSNS、微博に開示するうえ、違反者の社会信用度を減点し、ネット通販の買い物や融資を制限するとした。

2020年までに完了予定の社会的信用システムは、ますます遍在化している。中央当局の2016年の政策発表では、購入する住宅の種類や、加入保険まで、信用度システムは市民生活のあらゆる面に影響を及ぼす。

(編集・佐渡道世)

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