3年間消息不明の人権弁護士王全璋氏が「生きている」
2015年7月に起きた人権派弁護士一斉逮捕事件で、唯一安否不明となっている王全璋弁護士(42)が生きていると伝えられた。
18日、山東省の弁護士・劉衛国氏はインターネットで王全璋弁護士本人から依頼を受け、代理人を引き受けたと発表した。当日午後に王弁護士と2回目の面会をしたとも明かした。
それによると、王弁護士は現在、天津市第一留置所に拘束されているという。依頼を受けた劉氏は12日午後、初めて王弁護士との面会を果たした。王氏の「体調や精神状態は正常である」という。
一方、王弁護士の妻・李文足氏(33)が劉衛国氏と対面した後、米政府系メディア、ラジオ・フリー・アジアの取材で、「夫が高血圧の薬を服用していると聞かされた。夫は高血圧ではない」と話した。さらに「夫はおびえていた様子だった。声を出さないで口を動かし何かを伝えようとしていた」と続いた。
「それでも、最後まで無罪の主張を貫いて欲しい」
すでに釈放された弁護士は拘束中、不明の薬物を投与され、拷問を受けていたと証言している。
山東省出身の王弁護士は人権派弁護士の中でも、いち早く法輪功学習者の案件を引き受けていた。以前、強制立ち退き、キリスト教徒、言論弾圧された記者などの案件も扱っていたが、中国共産党政権による法輪功への弾圧が始まってから、法輪功の案件に専念していた。「法輪功学習者は最も法的援助を必要としているからだ」「(学習者の)勇気を目の当たりにして弁護士費用を取ることはできない」とほぼ無償で法的援助を提供していた。
当局に目の敵にされた王弁護士は拘束される前、度々「手を切り落とすぞ」「今度足をもらうぞ」などの脅しの電話を受けていた。法廷で裁判官から猛烈なビンタを食らったことさえあった。
3年前の事件で、「国家転覆罪」に問われ逮捕された。その後、消息を絶った。
李文足氏は12日、夫が無事との一報を受け、自身のTwitterで「あなた、戻ってくるのを待ってるよ。一緒に餃子を食べよう!」と喜びを爆発させた。
劉衛国弁護士の話によると、王全璋弁護士の裁判の開始時期は未定だという。
(翻訳編集・王君宜)
709弁護士一斉拘束事件:2015年7月9日から、中国公安部が全国規模で、各地の人権派弁護士らの一斉拘束を開始した事件。16年12月16日までに少なくとも23省で319人の弁護士、弁護士事務所職員、人権活動家やその家族が、当局からの事情聴衆や出頭命令を受ける、出国制限、軟禁、住居の監視、逮捕、強制失踪(政府による拉致)といった状況に置かれている。