女性外相会議、G7では日本だけ参加「フェイクニュースに気をつけよう」河野氏が呼びかけ

カナダのモントリオールで9月21日と22日、世界の女性外相G7外相による会議が行われた。会議では女性の活躍推進、女性・平和・安全保障、ルールに基づく国際秩序などが話し合われた。招待されたG7外相で、出席したのは日本の河野外相のみだった。

日本内外の一部のネットユーザーからは「日本政府はなぜ男性を送ったのか」と意見が出ている。しかし、河野外相は、出席者のなかで男性が一人だったのは偶然に過ぎないとSNSでコメントした。

世界の女性外相会議は、次週に開催される国連総会の一環会議として開かれた。仏AFP通信は23日、「カナダ主催の初の女性外相会議に、日本は男性を参加させた」と題した記事を掲載。集合写真に男性が河野氏一人だけだったことを強調した。

会議は、G7議長国のカナダ・フリーランド外相とEU外務・安全保障政策モゲリーニ代表が、女性の活躍推進、女性・平和・安全保障、ルールに基づく国際秩序などをテーマに、世界の女性外相とG7各国外相を招待して開催した。

女性外相会議に出席したのはアンドラ、ブルガリア、コスタリカ、クロアチア、ガーナ、グアテマラ、インドネシア、ホンジュラス、ケニア、ナミビア、ノルウェー、パナマ、ルワンダ、セントルシア、南アフリカ、スウェーデン。

G7で女性外相はカナダのみ。日本ほか米国、英国、フランス、イタリア、ドイツの外相は男性。

外務省によると、河野外相は、安倍政権による女性活躍につながる政策や、2019年開催予定の国際女性会議WAW!とW20について、参加した16カ国の女性外相に招請した。同省によると「出席者の多くから高い関心が示された」という。

WAW!は2017年、トランプ大統領の長女で大統領補佐官イバンカ氏が参加しスピーチした。経済成長戦略であるアベノミクスは「ウーマノミクス」とたとえ、女性活躍政策を評価した。

しかし、一部のネットユーザーの間では、「日本政府は女性外相が集まる会議になぜか男を送ったらしい」と、事実誤認と受け取られるコメントが渦巻いた。リベラル派のコメンテータ・津田大介氏はSNSで、「日本政府はジェンダーギャップを埋める必要はないと思っている、という強烈なメッセージを世界に発信」と批判的に書いた。

いっぽう、「フェイクニュースに気をつけよう」と河野氏は27日のSNSで一刀両断する。「女性の外相が集まってジェンダーの話だけをするわけではない。北朝鮮、ミャンマー、ベネズエラなど国際情勢に関する意見交換するためにG7各国外相は男女問わず招待された。たまたま男で参加したのは私だけだったということ」。

津田氏は、これに対して、自らのコメントが誤解を招きかねないものだったして、謝罪と共にコメントを削除した。

河野外相の「男性一人写真」への反応で、フェミニストを自称する意見者の偏見を露呈したとのコメントもある。「各国の女性外相は能力者として外相に任命された。彼女たちを『女性』とだけしか見ていないのは、彼女たちへの侮辱ではないか」「ジェンダー関連会議は男女が関わることだ。男性を排除する姿勢はおかしい」。

(編集・佐渡道世)

関連記事
12月20日、米国務省の外交団がシリアに到着した。バッシャール・アサド政権崩壊後、ワシントン高官がダマスカスを公式訪問するのは初めてとなる。
G7がシリアの政権移行に関する声明を発表。法の支配と人権尊重を柱に、包括的な統治プロセスへの支持を表明。国際社会の期待を示した。
シリア情勢について電話会談。オースティン米国防長官とトルコのヤシャル・ギュレル国防相。
ブリンケン米国務長官は「我々はここ数日の反政府勢力指導者らの発言に注目しているが、彼らがより大きな責任を負うようになるにつれ、我々は彼らの言葉だけでなく行動も評価するだろう」と語った。
シリア政権の崩壊はシリア人にとって「歴史的な好機」であると同時に「危険と不確実性の瞬間」でもあるとバイデン米大統領は述べた。