奇観

そびえ立つ土柱の頂に岩の帽子 イタリアの大自然

イタリア北部ボルツァーノ自治県(サウス・チロル州)でみられる珍しい地形現象があります。それは、竹の子のように土の柱が地面を突き抜けて高くそびえる「土柱」。柱の頂に岩がのった風景は、とても幻想的です。レノン(Renon)地区に広がる土柱の形が最も整っているので、「レノンの土柱」として広く知られています。

土柱は氷河期の後、モレーン(氷河の流動によってもたらされた岩屑などの堆積土)の侵食作用によって出来上がったもの。土柱は乾燥した状態では石のように硬く、一旦雨が降ると泥のように柔らかくなり侵食されます。長い年月を経て、今のような奇観を呈するようになりました。

ドイツのカメラマン、キリアン・ションバーガー(Kilian Schönberger)さんが霧の中で撮った「レノンの土柱」はまるで別世界のよう。大自然の不思議さを代表する一枚です。

(翻訳編集・豊山)