「時代遅れの海賊漁業」中国漁船、中米EEZで日常的に違法操業 

米国の海洋問題専門家は、多くの南アメリカ諸国の排他的経済水域(EEZ)で、中国漁船による違法な操業が日常的に行われ、現地の漁業を脅かしていると指摘する。さらに、現地漁業者を買収して際限なく漁獲しており、制御を困難にさせている。

シンクタンク戦略国際問題研究所ラテンアメリカ担当顧問エヴァン・エリス氏の研究文書によると、多くの南アメリカの漁業者たちは、昔ながらの生活を維持する漁獲量を保持してきた。しかし、中国船は深海底までさらう大型トロール船を派遣してEEZに侵入している。

EEZは国連海洋法条約(UNCLOS)により定められた。国は海岸から200カイリまで、その資源の権利を有する。報告によると、中国漁船によるEEZ侵入はアルゼンチンで最も多く見られ、チリやウルグアイでも確認されている。

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