2018年10月、スイスのジュネ―ブで国連人権理事会が開かれた。会場周辺で、中国共産党政府による弾圧に抗議活動を行うウイグル族(FABRICE COFFRINI/AFP/Getty Images)

天津の移植病院、新疆ウイグルから来た臓器を使用=民衆法廷で証言

「移植用の臓器は今、すべて新疆ウイグル自治区からきている」2018年12月にロンドンで行われた模擬裁判で、中国における収容者からの強制的な臓器収奪について、出廷者が証言した。台湾の知人家族が天津で移植手術を受ける際、主治医から説明を受けたという。

中国共産党体制が主導する臓器収奪という人道犯罪を懸念する専門家は、12月に模擬裁判・民衆法廷を開いた。裁判長を務めたジェフリー・ニース卿は、7人の陪審員を代表して「中国では良心の囚人からの臓器強制収奪が長期にわたり行われている。非常に多くの犠牲者が出ていると全会一致で認める」と公聴会最終日の10日に述べた。

副検察官や勅撰弁護人の肩書を持つニース卿は、この度の民衆法廷では、2019年の春に予定されている最終判決前に暫定結果を公表するという異例の措置を取った。その目的は、臓器収奪問題の迅速な世界的周知により「罪のない人達を危険から守る」ためだという。中国での臓器移植患者は、海外からの渡航者も含まれる。

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人道犯罪について第三者による調査と結果を示す「民衆法廷」の中国臓器収奪問題・最終裁定がこのほど、英ロンドンで開かれた。50人以上の証言と1年に渡る調査の結果、議長は、中国では移植手術用の供給のために臓器収奪が行われているとの事実が「避けられない」と発表した。
中国では国家が系統的に移植のための臓器を、収容者から本人の同意なく摘出しているとの問題が長らく、くすぶっている。この問題を専門家らが、公の場で検証するため、ロンドンで民衆法廷が開かれている。