2億年前、ヒトは裸足じゃなかった? 26センチの「靴の跡」化石が物語る
新疆ウイグル自治区ウルムチ市在住の元教師で、有名な化石専門家・海涛さんは、30年にわたり収集した数百点の化石を中国科学院新疆生態と地理研究所の標本館に展示されることとなった。2億年前の「靴の跡」の化石だという。猿人類さえいなかったはずの時代に、どうして「靴」があるのだろうか? 研究者らは首を傾げた。
中国国内メディアが報じた教師の話によると、「靴の跡」の化石は1997年、ウルムチ市内の紅山で発見したという。岩石の上に26センチほどの靴跡がはっきりと残っていて、重ねて縫い合わせた革の靴であることがわかる。
靴跡のある岩石の他の部分は、13センチの古いタラの化石があった。タラは三畳紀に生息していたので、この化石はおよそ二億年前のものと推定できる。
このような化石の発見は、実は初めてではない。1968年、アマチュアの化石専門家ウィリアム・J・ミスト氏は、米ユタ州アンテローブスプリングで、6億年から2億年前の古生代に生きていた三葉虫を踏みつけたサンダル跡の化石を発見した。1927年、アメリカのある地質学者は、米ネバダ州のフィッシャー峡谷で、一対の靴跡がついている化石を発見した。この化石の年代は、2億2500万年前の三畳紀に遡る。
科学者たちが最近、電子撮影機器でこの化石を調べると、靴のかかとの革は二重線で糸のようなもので縫われていることが分かった。この二重線の幅は1.1センチで、こうした靴を作る技術は、1927年までなかったといわれている。数億年前の人類は、革を縫えるほど丈夫な糸を作れたのだろうか?
カリフォルニア州オクラン博物館館長サミュエル・ハバード氏は、靴の跡の化石について「類人猿の文化さえまだ開化していない何億万年も前に、地球上にはすでに高度な智慧を持つ人間が存在していた……」と驚きを隠せなかったという。
靴の跡の化石の発見は、広く信じられてきたダーウィニズム(進化論)を揺るがし、人類にとって未解明、未確認の文明が存在していたことを物語っている。
(文・宇文龍)