GettyImages

元の気ってなに?

毎朝ジョギングを欠かさない近所のお年寄りに「お元気ですね」と声をかけ、しょんぼりしている友人を「元気出せよ」と励まします。普段何気なく使っているこのことば、よくよく考えてみると何とも不思議なことばです。

「元気」には大きく分けて二つの意味があります。一つは、「活動の源となる気力」ということで、「元気出せよ」の「元気」がそうです。古くには、「元気」には、「万物が生まれ育つ根本となる精気」という意味がありました。文字通り、「元の気」ということで、「元気出せよ」の「元気」はこの用法からの派生だと考えられます。

もう一つは、「健康だ」ということで、「お元気ですね」の「元気」がそれにあたります。ただ、この意味の「元気」は本来、「減気」と書かれたようです。このときの「気」は病気の意で、「病の気を減ずる→病が快方に向かう」ということです。また、病気平癒のために祈祷してその「験(ゲン)」が表れる意で「験気」とも書かれました。そして、病気が治るということは、本来の気力に戻ることであることから、「元の気」の意である「元気」と混同され、次第にともに「元気」の字が当てられるようになったようです。「元気」に直接には関係なさそうな二つの意味があるのはこのためです。

ところで、中国語の『元気』には「健康」の意味はありません。「元の気」の意とそこからの派生義しかなく、『傷元気(活力を損なう)』とか『元気旺盛(活力旺盛)』のように使われます。

(智)

おすすめ関連記事:知ってた? じゃんけんの語源

関連記事
1271年、モンゴルのフビライ・ハンが元を建て、初めての漢民族以外の皇帝となりました。その後、数十年にわたり、中国はかつてない規模の帝国となり、元は文化の多様性と国際貿易の栄えた時代となりました。
明の最初の皇帝・太祖の生い立ちは、朝廷生活とはほど遠く、彼は朱元璋と名付けられた農民の子供でした。彼は最初、僧侶の道を歩みましたが、モンゴル主導の元が朝廷内の闘争で弱体化する中で反乱軍に参加し、まもなく右に出るもののいない軍事家として才気を発揮することとなりました。
胃酸逆流の症状を抑える等、一般的な胃腸薬を服用している人は、知らず知らずのうちに偏頭痛を発症するリスクを高めているかもしれません。 このような一般的な治療薬と偏頭痛との関連性について、アメリカ神経学アカデミーが発行する「Neurology Clinical Practice」オンライン版に掲載されました。研究では、胃腸薬が偏頭痛を直接引き起こすとは断定されていないものの、両者の間には何らかの関連があるのではないかと考えられています。
子供のいじめ、自殺、暴力・・・昨今、心の痛むニュースが後を絶えません。生まれてきた時は、誰もが純粋で善良だったはずなのに、何が子供たちを悪へと走らせるのでしょうか。人生には学校の教科書から学ぶことのできない、大切な価値観があることを子供たちへ伝えることが重要です。将来を担っていく子供たちに、ぜひ読んでもらいたい物語を厳選しました。
さまざまな予測不可な症状に悩まされていませんか?一つの症状が改善されると、また別の症状が現れると感じていませんか?それはマスト細胞活性化症候群(MCAS)が原因かもしれません。