名医が施した奇跡の医術

『史記』の「扁鵲列伝」の中にこのような物語があります。扁鵲は若い頃にある官舎の舎長でした。賓客の長桑君はよくその官舎に立ち寄っていました。毎度、扁鵲は長桑君に対して丁重に待遇していました。長桑君は主に道徳や品行の面で、扁鵲に高く評価していました。

2人が知り合って十数年余りが経ったある日のこと。長桑君は扁鵲を呼んで2人だけで対坐し、「私は秘法の医術を心得ているが、年老いたのであなたに秘法の医術を伝えたいと思う。他言しないように」と密かに言いました。扁鵲は「謹んでお言葉に従います」と答えました。

そしてある日、長桑君は懐中の薬を取り出して扁鵲に与え、「これを雨露(あまつゆ)で飲み、30日経つと不思議な現象を見ることが出来るようになるであろう」と言って、秘法の医術書をすべて扁鵲に手渡しました。その全てを扁鵲に与えると長桑君の姿が突然、消えました。

▶ 続きを読む
関連記事
運動が体に良いことは知っていても、脳への影響は意外と知られていません。実は、わずか数分の運動でも気分や集中力に変化が現れ、長く続ければ脳の老化対策にもつながる可能性があります
膝の変形性関節症の予防に、ヨーグルトやチーズが関係するかもしれません。日本の成人約1万人を11年間追った研究で見えてきた、発酵乳製品と膝の健康の意外な関係をご紹介します
実年齢は同じでも、脳や心臓の老化の進み方は人によって異なります。血液中のタンパク質から臓器ごとの「年齢」を推定し、症状が現れる前に病気のリスクを見つけようとする研究が進んでいます
「あのとき、違う選択をしていれば」と、昔の自分を責めていませんか。でも、あの頃の自分には、今ほどの経験も心の余裕もなかったはず。過去の後悔と向き合い、自分に少し優しくなるための言葉をお届けします
脳卒中やパーキンソン病の患者の体験を通して、回復に向き合う姿勢を考えます。体の緊張をゆるめる、一つの動きに集中する、小さな練習を続ける。中医学の臨床家が語る3つの工夫と、家族の支え方を紹介します