Pixabay

犬が癌を嗅ぎ取る 確実性が高く専門家も注目

アメリカの研究者は、犬の嗅覚受容体は人の1万倍正確であり、人が感知できない匂いや異常も敏感に嗅ぎ取ることができると報告しました。彼らは新しい研究の中で、犬は肺癌を嗅ぎ取ることができ、その確実性は約97%であり、そのため癌の早期発見に繋がる希望をもたらすとの発表をしました。

4月にアメリカ生物化学及び分子生物学会 (American Society for Biochemistry and Molecular Biology) の年次総会で発表された研究によると、ビーグル犬は患者に肺癌があるかどうかを嗅ぎ分けることができることが分かりました。ビーグル (Beagles) は検疫犬としてよく知られ、人なつこい性格です。また食欲旺盛で (訓練に向いている)、生来の強い嗅覚により、訓練を受けると彼らは荷物に隠されている密輸品の匂いを嗅ぎ取ることができます。

この研究で、フロリダ州の生物化学会社BioScentDxの研究員が4匹の2歳になるビーグル犬を訓練し、肺癌患者と健康な人の血液サンプルを見分けさせました。その結果、スナグル (Snuggles) と呼ばれる1匹の非協力的なビーグル犬を除き、他の3匹は96.7%の確率で肺癌患者の血液サンプルを見分けることに成功しました。また、正常な血液サンプルを見分けられる確率は97.5%でした。研究者によると、この発見は非常に有益であり、肺癌患者の早期診断への新たな希望をもたらします。実際多くの研究によると、犬は様々な種類の癌を嗅ぎ取ることができます。

▶ 続きを読む
関連記事
大腸がんは「いつ治癒といえるのか」。3万5,000人超のデータから、手術後6年で再発率が0.5%未満になる重要な節目が判明。長年の不安に明確な指標を与える最新研究の意義を分かりやすく紹介します。
更年期以降、腸内細菌叢の変化が炎症やホルモン代謝に影響し、乳がんなど一部のがんリスクに関係する可能性があります。腸の乱れとがんの関連、改善策を解説します。
ごく小さな「げっぷ」や胸の違和感――それが命に関わるサインかもしれません。見逃されがちな消化器がんの初期症状、早期発見の重要性、最新治療まで、知らないと危ないポイントを丁寧に解説します。
免疫療法は自分の免疫系を直接働かせ、がんと闘う力を引き出す治療法です。腸内環境、食事、運動、ストレス管理などの生活習慣が、免疫反応や治療効果に影響することが明らかになっています。
肝がんは急に発症するのではなく、肝臓への負担が長年蓄積し、線維化・肝硬変を経てがん化へ進行します。この過程には介入の時間があり、飲酒習慣や脂肪の代謝改善、ウイルス感染の管理で発症リスクを大きく下げることができます。