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7歳でたった4kgの男の子を養子に!

プリシラが男の子を始めて見たとき、本当に驚きました。今にも死にそうなくらいガリガリに痩せていました。当時7歳のその男の子は体重がわずか4kgほどしかなかったからです。

アメリカに住むプリシラと彼女の夫は、ブルガリア人の男の子(名前はライアン)を養子に迎えることに決めました。

孤児院でライアンに初めて会ったとき、夫妻はやせ細った状態を見て目を疑いました。7歳というのは間違いではないかという疑いをいだくほどでした。

「ライアンはまさに骨と皮の状態でした。文字通り、骸骨のように見えました。今にも死にそうでした。初めてライアンに会ったときはすごく怖く感じました。病院に連れて行く前に死んでしまうのではないかと思ったからです」とプリシラは当時のことを話してくれました。

ライアンの体は驚くほどやせ細っていて、そして栄養失調が原因で体中が体毛に覆われていました。

2015年11月、夫妻は養子の手続きを済ませ、ライアンを自宅に迎え入れました。すぐに夫妻はライアンを小児科に連れて行きました。

「担当の先生は目に涙を浮かべていました。あんな光景は初めてです。そして、その医者はライアンはもう長くはないと言いました」とプリシラは話してくれました。

ライアンは1か月以上入院しました。最初にチューブで栄養を補給しようとしましたが、リフィーディング症候群を起こしました。慢性的な栄養不良状態が続いていたために積極的な栄養補給を体が拒絶してしまう症状です。

またライアンは小児麻痺、 小人症、脊椎側彎症、小頭症、先天性内反足など様々な障害を持っていました。



今ライアンは、プリシラたちの家で、夫妻の実の息子たち(13歳のダイランと7歳のジャック)、そしてライアンと同じように孤児院から引き取ったダウン症で先天性の心臓病を患う7歳の娘のマッケンジーと一緒に生活しています。マッケンジーは2012年にロシアからプリシラの元に来ました。

プリシラ自身もかつては孤児で、幼い頃、養子にもらわれその家庭で育てられました。彼女の兄も障害を持っていたため9歳の時に亡くなりました。

「兄が亡くなったとき、自分がとても幼かったのを覚えています。障害があった兄を両親は心の底から愛してくれていました。だから私も同じように障害があるために不幸にも見捨てられてしまった子供たちを幸せにしてあげたいと思ったのです。みんな家族を持って幸せに暮らす権利はあると思います」とプリシラは話してくれました。



家族の献身的な看病の末、ライアンの体重は徐々に増え、回復しました。体中の体毛もなくなりました。そして数か月後、小学校に通えるようになり、たった1年で約7kgも体重が増えました。

プリシラ夫妻は、ライアンの将来についてとてもポジティブにとらえていて、ライアンの受けたトラウマがいつか癒されるだとうと考えています。ライアンはとてもたっぷり愛情を受け、温かい家庭で幸せに暮らしています。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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