発願して再び現世に戻る
『 宇治拾遺物語』:写経のため、地獄に落ちた能書家 中
藤原敏行は、平安時代前期の歌人,書家です。書は空海に並ぶと言われるほどの書道の大家でもあり、立派な人だと思いきや、『宇治拾遺物語』では、食い気と色気にほだされて地獄に落ちた様子が描かれています。
この前、行き会った二百人の軍隊は目を怒らし、敏行を恨めしく見つめていました。敏行は怖くて震えながら
「本当に助かる方法はないでしょうか」と、再び獄卒に聞きました。獄卒は「四巻経を書き奉る旨、今すぐ発願せよ」とひそかに言うので、敏行は、今まさに門をくぐるというところで、「自分の罪科は四巻経を書き供養して贖う」と願をかけました。
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