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うつ病患者からパーキンソン病まで、踊る力で病気に打ち勝つ

ダンスはダンスでも、Dance Movement Therapy(以下DMT)や運動療法はなんらかの病気を患っている人に有効的であるとされている。DMTはダンスによって身体の内側を刺激し、幸福な気持ちを促進することで、病気の症状を緩和する役割を果たしているのだとか。

主流のトークセラピーとは大分異なり、DMTでは非言語的な表現を元に患者に寄り添っていく。

DMTでは身体と心は常に相互作用していると考えられている。そのため、動いている身体は、媒体であり、メッセージなのだ。また、DMTを用いれば、色々な方法で患者にアプローチすることもできるという。時には会話を取り入れたり、音楽の種類に変化をつけたり、個人または複数人で行うことも可能だ。

グループセラピーでは、感情的、精神的、肉体的な部分を確認するのに有効で、その後色々なテーマに沿ってセラピーをすることもあるという。また身体を使ったセラピーの他にも、トークやドローイングなどの要素も追加する場合があるという。

数十年前から注目されてきたDMTだが、実際は研究不足であったため、広く普及することがなかった。それが今では感情抑制、認知機能、神経の可塑性の三つの観点からDMTの利点が紹介されている。

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1. うつ病に与える影響

踊ることによって、人間の感情状態は変化すると考えられているDMTでは、ストレスと不安を軽減することを目的としている。身体と心の相互作用を刺激することによって感情を調節する能力を養えるのだ。そのため、成人のうつ病患者の治療に特に効果的であることが証明されている。

2. パーキンソン病の改善

音楽に合わせて振り付けどおりダンスすることによって、認知的関与を高めることが可能だという。特に筋力、バランス感覚、協調性、記憶力、注意力、空間処理も改善すると言われている。

この研究を裏付けるように、ある高齢者層に長期的にダンスを交えたプログラムを体験させたところ、注意力や記憶力が改善されたと報告されている。

3. 脳構造の変化

ダンスは脳全体に影響を与えるが、特に、記憶力の司令塔「海馬」の体積と神経細胞が集まる灰白質の体積の増加が認められている。つまり、パーキンソン病、アルツハイマー病などのさまざまな神経障害及び、精神障害の治療に効果的なのだ。

以上、ダンスが人体と精神に大きな影響を与えることが分かっただろう。これを機会に、あなたもダンスで精神的、肉体的な健康維持を考えてみてはいかがだろうか。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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