中国の昔話 天罰と雷
古代中国において、雷は神の怒りと考えられていました。人間が神に逆らい、人道に反すれば、神は雷をもって善悪を正し、邪な者に罰を下します。「自然」は存在せず、すべての現象には理由があるのです。
ずる賢い産婆
1792年、清朝・乾隆帝の頃、遼寧省のある村に住む夫婦に男の子が生まれた。翌日、父親は枕の下に置いた四つの銀貨がなくなっていることに気づき、産婆に聞いた。「二つの銀貨はあなたのものだが、残りの二つを私に返してくれないか?この二つは神に捧げ、赤ん坊の誕生を祝うためのものだから」
産婆は顔を真っ赤にして言い返した。「私を疑うのなら、あんたの息子は死ぬよ。もし銀貨を盗んでいたとしたら、私は雷に打たれて死ぬだろう」
父親は仕方なく手ぶらで家に帰った。3日後、家族が赤ん坊の沐浴のために産婆を呼んだ。産婆は現れず、代わりにその娘が来て沐浴を手伝った。
その夜、赤ん坊は突然亡くなった。夫婦は悲しみにくれ、赤ん坊の亡骸を野原に埋めた。村人たちは、産婆の言うことが正しかったのだと噂した。
次の日、村は暴風雨に見舞われた。雷が不思議な模様を描きながら轟き、辺りは硫黄の匂いに包まれた。すると、野原でひざまずいていた産婆と娘に雷が落ち、二人は即死した。二人の手には銀貨が一つずつ握られていた。
雷が静まると、赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。村人たちが急いで土を掘り返すと、赤ん坊はすっかり元気に甦っていた。両親が抱きかかえると、赤ん坊のヘソから針が飛び出した。産婆の娘が沐浴を手伝った時に、こっそり赤ん坊のヘソに針を指し、赤ん坊を仮死状態にさせていたのである。
これを目撃した村人たちは、神が雷によって悪人に罰を下したのだと噂した。
参考資料:明慧ネット
(大紀元日本ウェブ編集部)
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